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2019/06/26  テーマ
インサイドセールス TIPS
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デジタルインサイドセールス(第2章 インサイドセールス導入の全ステップ 1.インサイドセールスを導入するための世界基準 2.インサイドセールスの成否を分ける「セールスモデルの策定」)

2017年12月6日発刊 弊社代表の吉田が執筆した「デジタルインサイドセールスー最新テクノロジーによる法人営業改革の実践ー」

1.インサイドセールスを導入するための世界基準

顧客のインサイドセールスの運用や支援をしていると、顧客ごとにインサイドセールスの使い方に差が出てくると気付かされる。また、訪問営業が担当する地域性や販売する製品、提供したいサービスの内容、各営業プロセスを誰が担当するのかでも、インサイドセールスを利用した場合の効果は違ってくる。

そこで、当社がプロジェクトの中心となって、インサイドセールスのマネジメント手法をまとめ、国際的な規格とするPAS8401 Implementing An Inside Sales Management Methodology – Guide(以下、PAS)を作成した。これは、ブリッジインターナショナルがこれまで培ってきたインサイドセールスの知識やノウハウをベースに作成した、世界初の「インサイドセールス導入ガイド」だ。

このPAS(Publicly Available Specification =公開仕様書)は2014年10月に発行されており、欧米においては、インサイドセールスをより有効に活用するための、よき指針になっている。

PAS制作プロジェクトは、もともと英語版の「インサイドセールス導入ガイド」を作るために発足した。制作プロジェクトには、アクセンチュアやシスコシステムズなどの、著名なITグローバル企業、大学関係者など、Webマーケティングに精通したメンバーにご参加をいただき、またBSI(British Standards Institution =英国規格協会)の協力のもと、一年以上もの時間を費やして作成した。

BSIは、世界的に最も歴史ある国家規格協会の審査機関であり、ISO※規格を中心としたサービスを提供している。PASはBSI公認の、簡易版ISOという位置づけの公開仕様書になっている。

インサイドセールスの導入ガイドを詳細に定義したものは、今のところ、世界にこのPASしか存在しないが、このPASの日本語版ガイド「インサイドセールスの導入に関するガイダンス」も完成した。インサイドセールスを既に導入済、またこれから導入を検討されている企業のお役に少しでも立てればと思う。

インサイドセールスを導入するにあたって、当社の場合、コンサルティング部隊が大きく4つのステップに分けて導入の支援を実施する。

※: スイス・ジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称。主な活動は国際的に通用する規格の制定であり、ISOが制定した規格をISO規格という。世界中で同じ品質、同じレベルの的な基準。

4つのステップとは「プロジェクト計画」、「セールスモデル策定」、「コミュニケーションデザイン」そして「マネージメントサイクル定義・システム整備・展開準備」であり、これらをを二~三カ月かけて検討して、「実施計画書」というある意味全ての基本になるバイブルを完成させる。

まず一つ目はプロジェクト計画の立案だ。ここでは関係するメンバー全員で、インサイドセールス導入の目的を合意することから始まる。そして体制やそれぞれの役割の明確化を行い、その上でマスタースケジュールの策定も行う。まずはスタートの段階で、顧客のトップも含め全ての関係者のコンセンサスを取ることを目的としており、重要な工程だ。

次はセールスモデルの策定であるが、インサイドセールスを導入する際に肝となる工程の一つであり、次章で詳しく説明する。

2.インサイドセールスの成否を分ける「セールスモデルの策定」

私達ブリッジインターナショナルのインサイドセールス活動の肝となるのが、セールスモデルの策定だ。セールスモデルの策定とは、誰に・どのような目的をもって・誰が・どのように営業活動をするかを決めることである。

営業活動の相手が大手企業なのか中小企業なのか、新規の顧客開拓なのか既存の顧客へのクロスセル・アップセルなのか、顧客を担当するのは訪問営業なのかインサイドセールスなのか、代理店による販売なのか、はたまたWebやメールで完結させるのか、といったことを決めていく。営業目的と対象、インサイドセールスの特性を踏まえて、生産性を高めるにはインサイドセールスをどこに組み込むかが大きなポイントになる。

また、マーケティング部門、インサイドセールス、訪問営業の間で共通の物差しを決めておく必要があり、顧客の購買プロセスに応じた受注見込みを、セールスステージなどで定義しておくことが大切だ。特にインサイドセールスだけではクロージングが難しい商材を扱う場合、どのセールスステージでインサイドセールスから訪問営業へ引き渡すかも重要になってくる。

引き渡す案件の条件としてよく用いられるものに、BANTという考え方がある。BANTとは、Budget( 予算)、Authority( 決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の頭文字を取ったマーケティング用語で、訪問営業や営業管理者が顧客の予算、ニーズ、注文時期などを見極めるときに使うものだ。顧客によって、BANTの基準は異なってくることが多く、特に大手企業との取り引きの場合は、成約までに関わる人数が多くなるため、BANT情報を全員が共有しているかどうかが肝心だ。

たとえば、数億円もするコンサルティングの案件を扱う場合は、予算がまだ固まり切らない状態で訪問営業に渡すほうがいい。あまり決め込まない状態から醸成していくほうが、現場は営業活動に入りやすいのだ。このように、商材やテリトリーによっても動き方が違ってくるため、セールスモデルの策定には時間を要する。

私が営業担当だった時代は、最初から商品の売り込みはできなかった。初めて見込み客を訪ねる際は「うちの会社はこんなことをやっているんですよ」、「流通業の会社を担当しているときは、こんなに時間がかかりました」といった世間話をして引き上げる。何度かその見込み客を訪ね、自社のいろいろな事例を出しながら話を重ねていくうちに、だんだんと信用が生まれてきて、「こんな資料ないの?」と言われてようやく資料を作成し、見せるようになる。そういう訪問を重ねるうちに、見込み客とのコミュニケーションが深まり、二年も経つ頃には、「コンペにはなってしまうけど、提案書を作ってみるかい?」と言われるまでに信頼関係が出来上がる。それから半年ほどかけてセリングして、ついに受注となるわけだ。

インサイドセールスを活用して見込み客に詳細な情報を提供できれば、私が二年を費やして得た信頼関係の構築を、相手先を訪問することなく、時間を大幅に短縮して行うことができる。インサイドセールスは、売上が億単位の複雑な案件から、二〇〇万円の単純な案件まで、いくらでも対応できるうえ、訪問営業にかける時間や労力も減らすことができるのだ。

2017年12月6日発刊 弊社代表の吉田が執筆した「デジタルインサイドセールスー最新テクノロジーによる法人営業改革の実践ー」

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