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Bridge Executive Interview:第13回 BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章 氏

--- 第13 回目は、BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章(たけお なおゆき)氏にお話を伺いました。

BSI (British Standards Institution, 英国規格協会)は1901 年に英国で工学標準化委員会として設立され、ロイヤル・チャーターを戴く世界最古の国家規格協会として、また独立した専門的ビジネスサービスを提供する機関として世界中に65 を超えるオフィスを持ち、150カ国以上で2,900 人のスタッフが活躍しています。BSI グループジャパン株式会社(略称:BSI ジャパン、英語名:BSI Group Japan K.K.)は、そのグループの一員であり、マネジメントシステム審査登録、医療機器認証サービス、ISO規格を中心とした研修・トレーニング、規格関連情報や、リスク低減ツール、規格策定サービスのご紹介など、幅広い分野にわたってお客様に付加価値を提供しているトータル・ソリューション・カンパニーです。

取材日(2013年6月 現在)の竹尾氏プロフィールはこちら

--- 競争が激化する日本の認証事業について

写真左:弊社代表 吉田 写真右:BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章 氏写真左:弊社代表 吉田(以下吉田)

「最近の御社の業界の動向をお聞かせください。」

写真右:BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章 氏(以下竹尾氏)

「現在、日本で認証事業を行っている機関は約60 社あり、競争過多な状態になっています。ISMS(ISO27001)等の認証はまだ増加傾向にありますが、価格競争になりつつあります。
一方で、弊社も携わっていますが、医療機器製品認証のように、審査に専門的な知識や経験を要する認証については、提供できる機関は限られているため、競争にはなりませんが、審査員の採用と育成が非常に難しい領域です。
弊社では、認証で必要とする技術知識や経験をテクニカルコードに定義し、審査員ごとに対応できる認証を管理し、さまざまな専門的に特化していく認証にも対応できるようにしています。」

吉田:

「メインのISO 認証事業で、競争が激化しているのはここ最近のことなのでしょうか?」

竹尾氏:

「ここ4-5 年、激しくなったと思います。」

吉田:

「BSI ジャパンは、英国規格協会であるBSI からの認証機関として、本家本元だと思いますが、そこにイニシアチブはないのでしょうか?」
BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章 氏

竹尾氏:

「ISO9001 をはじめ、元はBSI が作った規格であり、その後、国際規格化したものが数多くあります。その点おいては、弊社は競合他社よりもお客様から高い信頼をいただいています。しかし、そもそもBSI は「世の中にとって良い規格をつくり、それを広めていく」ということを目的として設立されています。国際規格化された後は、弊社グループが認証機関を独占するわけではなく、公平な競争下に置かれることになるのです。」

吉田:

「英国らしい、寛大な発想なのですね。」
--- BSI ジャパンの営業体制について

弊社代表 吉田吉田:

「BSI ジャパンの営業体制について教えてください。」

竹尾氏:

「弊社では、既存と新規で分かれ、また大手のお客様を担当する3 つ分かれて体制を組んでいます。
既存については、現在3500 社ほど担当しています。この区分については放置すれば、競合他社に切り替えられてしまうリスクがあるため、「どう維持していくか」、守ることが大切です。」

吉田:

「価格競争なしで、新規のお客様を獲得するのは難しそうですが、将来のアセットのためにはやらなければならないですね。既存のお客様に対しても、新しい提案で「攻める」ことで「守る」ということなのでしょうね。」
--- BSI ジャパンの新たなクレド(=経営理念)「Making Excellence a Habit」について

吉田:

「さまざまなことに取り組んでいらっしゃると思いますが、営業担当者の知識や、能力の向上やサービス提供においてどのような施策をおこなっていらっしゃいますか?」
BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章 氏

竹尾氏:

「弊社は昨年、会社のクレドを「Making Excellence a Habit」へとリニューアルしました。お客様のExcellence を一時的なものではなく、ずっと維持し、習慣づける-Habit としていただくサポートすることを目指していきます。ただお客様を審査するだけではこのクレドは実現できません。審査をすることを通じて、良い気付きお客様に与え、お客様のマネジメントシステムを改善していくことを弊社のコアにおいています。
もちろん、お客様の企業活動は審査の前から行われています。弊社は審査を行うだけでなく、規格を知っていただくための規格書の販売、お客様が学びたい・導入したい規格のトレーニングサービス、さらにマネジメントシステム運用ソリューション「エントロピーソフトウェア」も提供させていただくことができます。
いかにお客様の課題に対して、弊社はソリューションとしてEnd to End のサービスを提案できるかが、営業の課題です。」

吉田:

「さまざまサービスを提案していくのはとても大変ですよね。」

竹尾氏:

「おっしゃるとおりです。箱売り的な営業スタイルで、お客様の要望のとおりに、単純にサービスを提示していたのでは、難しく、まずはお客様の課題を定義するところから始めなければなりません。
しかし、BSI ジャパンでもサービス提供を開始するPAS(Public Available Specification 公開仕様書 ※)の規格開発プロセスも、まさしくお客様の課題を定義してきたからこそ、ご提供することが可能になったといえます。」

吉田:

「お客様の課題にそって、貴社サービスが多様化、成長されているのですね。」
--- BSI ジャパンにとって「売れる営業」とは

吉田:

「竹尾社長にとって、「売れる営業」というとどんな営業担当をイメージされますか?」

竹尾氏:

「1つだけあげるとしたら、「聞くことができる」だと思います。話しすぎてしまう営業よりも、まずはお客様のお話をきき、理解することが大切です。」

吉田:

「「売れる営業」は意外に寡黙なタイプが多いといいますね。竹尾社長がおっしゃったように、まず「聞く」でお客様の課題をよく理解して、その上でその解決策を提案することができる営業が、「売れる営業」ですね。」

竹尾氏:

「はい。本当に、そう思います。」
--- BSI ジャパンの今後の営業戦略について

吉田:

「今後のBSI ジャパンの営業の取り組みをお聞かせください。」
写真左:弊社代表 吉田 写真右:BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章 氏

竹尾氏:

「新規の開拓はもちろん、既存のお客様にどうやって付加価値を提供していくかが重要だと考えています。
お客様は常にたくさんの課題を抱えていらっしゃいます。その移りゆく課題を適切なタイミングで営業は知っている必要がありますが、前述のとおりBSI ジャパンの既存顧客は日本全国に3500 社あります。とてもフィールドの営業だけでは周りきれず、課題を取りにいくのは不可能です。よって弊社はブリッジにインサイドセールスで協力をもらい、フィールドとインサイドセールスのコラボレーションで既存顧客のフォローを行うことにしました。弊社の場合、インサイドセールスにはカバレッジを期待し、今までできていなかった課題や不足を吸い上げ、深く提案するフィールドセールスにつなげる体制を組むことができました。これによりインサイドセールスが得た情報をフィールドセールスだけでなく、審査員やトレーナーにもフィードバックすることもできるようになりました。今では、完全にブリッジのインサイドセールスは、営業戦略の大きなパーツの1つとなっています。」

吉田:

「弊社のインサイドセールスサービスの導入時点からそのような評価をいただけていたわけではなかったと思いますが、どのように変化していったのでしょうか?」

竹尾氏:

「はい。最初は現場の営業に、いかにインサイドセールスを活用させるか、ということを教えるところから始めなければなりませんでした。今は完全にその必要性を現場が理解し、効果を知ってインサイドセールスのリソースの取り合いをするほどです。」

吉田:

「そこまでの環境になるまでに時間がかかったのではないでしょうか?
弊社、ブリッジのサービスを導入いただき、成功されているクライアントをみていると、どの成功クライアントもトップの方が、辛抱強く、結果を焦らず、インサイドセールスについて時間をかけて浸透させていると強く感じます。」

竹尾氏:

「はい。ここまでに3 年以上かかっていますが、今ではインサイドセールスは私たちの営業の一部になっています。
インサイドセールスを取り入れてよかったのは、今の売上に対する効果だけではありません。活動のログが残るという点も大きな成果です。フィールドセールスは、ログを残すということにどうしても細かく対応できません。重要なログはインサイドセールスに伝え、インサイドセールスに記録してもらうこともできます。またロスト情報等、営業が残したがらない情報もガバナンスが効き、しっかりと残っていきます。」
写真右:弊社代表 吉田 写真左:BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長 竹尾 直章 氏

吉田:

「ロスト情報は、経営にとって本当に貴重な情報ですからね。
BSI グループ内で、インサイドセールスを取り入れたのは日本、BSI ジャパンが初めてなのですよね?」

竹尾氏:

「はい。日本発で成果をあげ、今ではBSI グループのアジア地区はもちろん、全カントリーにインサイドセールスが導入される動きがあります。」

吉田:

「今後もBSI ジャパンに貢献できるよう、ブリッジもさまざまな視点でサービス提供を続けたいと思います。是非、よろしくお願いします。
今日は貴重なお時間とお話を頂き、ありがとうございました。」
※PAS とは:
Publicly Available Specification の略であり、日本語では「公開仕様書」。「一般に公開されて誰でも使用できる規格」であることを意味する。 PAS規格からISO 化された規格がこれまでに多く存在する。(PAS が国際的に広く活用された実績をもとに、BSI が国際規格とすることをISO に提案する。)
PAS 規格は、信頼できる公に認知された規格を作成したいという希望があれば、どのような組織(企業、政府機関、団体、NPO、学術機関など)でも作ることが可能で、日本国内でこのPAS規格策定サービスを行えるのはBSIジャパン唯一である。

プロフィール

竹尾 直章(たけお なおゆき)氏
BSI グループジャパン株式会社 代表取締役社長

1987年3月 法政大学工学部経営工学科卒業
1994年3月 青山学院大学国際政治経済学部修士課程卒業
1987年    日本IBM入社
1994年    コンパックコンピュータ入社。日本ヒューレット・パッカードとの合併後、

        アジアパシフィックのボリュームビジネスオペレーション責任者、オペレーションズ&ITの責任者を経て、執行役員就任
2006年10月 オーバーチュア株式会社(現:Yahoo株式会社)代表取締役副社長就任
2008年7月 GNネットコムジャパン株式会社日本法人代表取締役社長就任
2009年8月 BSIマネジメントシステムジャパン株式会社(現:BSIグループジャパン株式会社)代表取締役社長就任

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