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Executive Interview:第15回 シスコシステムズ合同会社 専務執行役員 高橋 慎介氏

--- 第15回目は、シスコシステムズ合同会社 パートナー専務執行役員 高橋慎介(たかはし しんすけ)氏にお話を伺いました。

シスコシステムズ合同会社(Cisco Systems G.K.)は、米国のシスコシステムズインクの日本法人として1992年に設立されて以来、世界のトップブランドであるネットワーク機器、ネットワークソリューション、またそれらに関するサービス全般の提供している企業です。

取材日(2014年2月 現在)の高橋氏プロフィールはこちら

--- 米国市場と日本市場の違い

写真右:弊社代表 吉田 写真左:シスコシステムズ合同会社 パートナー専務執行役員 高橋 慎介 氏写真右:弊社代表 吉田(以下吉田)

貴社は米国本社の外資系の日本支社ですが、米国市場での営業活動と日本市場での違いなどを、まずお教えください。特に高橋専務はパートナー事業を統括されていらっしゃるので、米国と日本、パートナー企業の違いなどもあるのでしょうか?

写真左:シスコシステムズ合同会社 専務執行役員 高橋 慎介氏(たかはし しんすけ)氏(以下高橋氏)

今、弊社 シスコシステムズ合同会社(以下「Cisco」)では、常時500社以上のパートナー様とお取引させていただいております。
米国Ciscoは、Ciscoにロイヤルティの高いパートナーを数多く抱えていますが、日本での上位パートナーの中には、Ciscoと同じ「メーカー」企業もあり、Cisco製品のみならず、自社ネットワーク機器・製品も販売されています。

吉田:

米国でも通信キャリアでのビジネスは大きいと聞きますが、日本も同様に大手通信キャリア系の企業の設備投資に左右されやすいという特徴がありますか?

高橋氏:

はい。そのとおりです。通信キャリアからその関連であるインターネットサービスプロバイダーの投資状況に影響をうけます。ある一定の投資サイクルがあるので、良い時と悪いときの差が大きくなります。

吉田:

その大きな変動を、通信系以外の他業界・企業への提供により補完していくということを検討するということになるのでしょうか?

高橋氏:

はい。そうです。 Ciscoでは通信系のお客様市場に加えまして、公共、一般企業向けのビジネスをいかに成長させるかが重要な課題になっています。今後、安定的な成長のキーとなる、そのコーポレート領域を伸ばす施策の1つとして、アプリケーションレイヤーとネットワークレイヤーの区分けなく統合して提供ができるソリューションに力をいれています。

シスコシステムズ合同会社 パートナー専務執行役員 高橋 慎介 氏吉田:

面白いですね。従来の大手のシステムインテグレーターは、アプリケーション領域は行っていても、自社内にネットワーク事業はもたずに、外部ネットワークインテグレターに出しているという企業も多いですね。

高橋氏:

そうなのです。従来、主にサーバーは取り扱っているが、自社内にネットワーク事業をお持ちでないシステムインテグレーターやリセラーのパートナー様が多くいらっしゃいます。よってそのようなパートナー様には、UCS(Unified Computing System)の提案に力を入れています。この製品はインテルベースのサーバーですが、管理ツールであるUCS Managerが市場で高く評価され、市場シェアも毎期大きく伸ばしています。ネットワークに接続されたコンピュータ資源を一元的に管理することにより、これまでの管理コストを大幅に低減することができます。また、昨年ACI(Application Centric Infrastructure)というコンセプトを打ち出し,Applicationから全てのコンピューターやネットワーク資源のリソースを動的に割り当て管理できるよう、従来のインフラ、アプリの垣根を越えた新時代のICTの実現をCisco ソリューションでお届けすることができるようになりました。結果として、これまで我々がリーチできなかったパートナー様も含めまして、シスコとして新たなパートナー様のエコシステムを構築することができると考えています。

吉田:

その垣根がなくなれば、従来アプリケーションレイヤーだけの領域だったシステムインテグレーターのパートナーが増え、またネットワークレイヤーだけだったネットワークインテグレターへは、直接的なCiscoのパートナーとなって頂く。双方から、貴社のオポチュニティ自体を増やすことができるのですね。
--- Ciscoの営業体制について

弊社代表 吉田吉田:

貴社の営業体制に関してお聞かせください。今後はコーポレート領域にも力を注いでいかれるようですが、ここはどのようにセグメントされているのでしょうか?

高橋氏:

コーポレート領域は、大手企業向けであるエンタープライズ向けと、中小企業向けコマーシャルの大きくは2つに分かれています。米国ではこのコマーシャルからの売上比率が日本に比べると高く、日本もグローバル並にこのコマーシャル領域を伸ばしたいと考えています。

吉田:

コマーシャルからの売上比率を更に高める為に、コマーシャル領域だけに特化した戦略などは何かおありですか?

高橋氏:

先に申し上げた、Cisco製品を取り扱っていただくパートナーを増やす戦略のほかに、デマンドジェネレーション、インサイドセールスの活用です。
パートナーが1つの案件にかかる手間や時間は、エンタープライズ向けもコマーシャル向けも同じぐらいかかるといわれています。つまりある程度案件確度が熟成した状態で渡さなければ対応しきれません。その案件熟成のためのエンジンとして、インサイドセールスを使い、数百社のエンドユーザーにレギュラータッチを行い、タイミングよくパートナーに案件を渡していく、そのような体制を確立していきたいと考えています。

吉田:

米国では、コマーシャル領域に関しては、Face to Faceのカバレッジ(顧客対応)は実質難しいため、ほとんどがインサイドセールスで行われているそうですね。

高橋氏:

はい。米国では、インサイドセールスをアウトソーシングすることはもちろん、活動を委託するだけでなく、1次パートナーであるディストリビューターの下につく2次パートナーのディーラーとして、クロージングまで請け負っていただくケースもあります。

吉田:

それは、進んでいますね!

高橋氏:

はい。しかし日本市場ではまだそこまで進んでいません。まずはインサイドセールスでCisco製品にイニシアティブをもって取り扱っていただけるディストリビューター、パートナー様を増やしていかなければならないと考えています。
--- コマーシャル領域のパートナー開拓とその戦略について

吉田:

すでにいろいろな方法でコマーシャル領域でのインサイドセールス等をつかったパートナー開拓をされていると思いますが、今後予定されている具体的な施策をお教えください。
写真右:弊社代表 吉田 写真左:シスコシステムズ合同会社 パートナー専務執行役員 高橋 慎介 氏

高橋氏:

Ciscoは、グローバルで戦略的M&Aにより従来のスイッチ/ルーターのネットワーク製品だけでなく、製品のラインナップを増やしてきています。Wifi/Securityの環境をより簡単に構築管理できる製品「メラキ」の本格展開もそのひとつです。従来のハイエンド製品だけでなく、よりユーザーが導入しやすい、わかりやすいローエンド製品へまでラインナップを増やし、 これまで取り込めていなかったパートナー企業を、インサイドセールスでも創出できるようにしていきたいと考えています。

吉田:

なるほど。先におっしゃっていたこれまで同様の製品、やり方だけでは量を稼がなければならないコマーシャル領域において「同じ時間・手間がかかる」でパートナーの負担を考えると、不利な点がある。そのような課題を解消するために製品展開そのものを変革するという思い切った取り組みですね。

高橋氏:

はい。われわれにとっては大きなチャレンジになります。

吉田:

パートナー戦略から営業方法、また製品戦略まで広範囲での施策が検討され実行させていることに関心いたしました。

高橋氏:

日本市場はグローバルから見ても期待値が高く、継続的な成長を実現するために、日々様々なトライ&エラーは今後も積極的に行ってまいります。

吉田:

当社BRIDGEも、貴社の成長の実現に向けてもっと高みを目指したいと思います。今日はお忙しい中、貴重なお話しを頂戴し、ありがとうございました。。

プロフィール

高橋 慎介(たかはし しんすけ)氏
シスコシステムズ合同会社 専務執行役員

1983年 早稲田大学 法学部卒業
1983年 日本アイ・ビー・エム株式会社 入社
1998年 同社 PC事業部コンシューマー事業部長
2002年 同社 理事ibm.comセンター事業部長
2004年 同社 理事ゼネラル・ビジネス事業部長
2005年 米IBMに移り米本社の副社長補佐を約半年間務める
2005年 同社に戻り 副社長執行役員補佐
2006年 同社 執行役員パートナー事業担当
2009年 マイクロソフト (現・日本マイクロソフト株式会社) に移籍し、執行役パートナービジネス営業統括本部長就任
2011年04月 エムオーテックス株式会社 代表取締役社長 就任
2012年07月 シスコシステムズ合同会社 専務執行役員 就任

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