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Executive Interview:第17回 デル株式会社 代表取締役社長 平手智行氏

--- 第17回目は、デル株式会社 代表取締役社長 平手 智行(ひらて ともゆき)氏にお話を伺いました。

デル株式会社は、世界市場トップレベルのシェアを誇るエンドツーエンドのソリューション・プロバイダー、Dell Inc.の日本法人。パソコン・モバイル端末から基幹システムやクラウドの導入支援、セキュリティサービスに至るまで包括的な IT ソリューションを提供しています。

取材日(2016年4月 現在)の平手氏プロフィールはこちら

--- 日本で力を入れていること

写真右:弊社代表 吉田 写真左:デル株式会社 代表取締役社長 平手智行氏写真右:弊社代表 吉田(以下吉田)

デルといえばPCの直販モデルを確立したメーカーとして世界的にも有名ですが、ここ数年、法人営業に力を入れていますね。

写真左:デル株式会社 代表取締役社長 平手智行氏(ひらて ともゆき)氏(以下平手氏)

おっしゃる通り、これまでデルは直販中心でした。しかし世界的に見るとすでにPC以外の販売比率が半数を超えており、法人のお客様向けに、いわゆるソリューション販売が中心の企業へと転換しつつあります。日本においてもこれまでの直販のビジネスモデルをしっかりと継続させながら、2011年からセキュリティ、ネットワーク、ストレージ、仮想化といったソリューション製品群を法人のお客様に提案していくことを進めています。

吉田:

ITソリューション営業ということで考えますと、平手社長がこれまでのキャリアで経験されてきた営業職としての知見をいかんなく発揮出来るのではないでしょうか?

平手氏:

そうかもしれませんね…笑)。ただ一方で、やはりあの頃とはITにまつわる環境は確実に変わっているとも思います。 私は前職で、長い間、中堅企業を担当する営業職を経験してきました。担当するお客様に通いつめたものです。若かったものですから、とにかくお客様のことを知りたいという思いで、そのお客様の事業全体を自分なりに理解し、将来のビジネスに対して少しでもお役に立てる提案をしたいと強く考えていましたね。
--- 「ITソリューション営業」を深化させる

吉田:

営業職当時、平手社長が大切にしていたことは何でしょうか?

デル株式会社 代表取締役社長 平手智行氏平手氏:

営業としての熱い思いをよりよい形でソリューションとして提案していくには、お客様の業務や将来像を知り、イメージしながら、自分なりに仮説を立てていくことが必要です。ただ仮説は「思い込み」につながりやすい。ややもすると、ひとりよがりになり自分の都合のいいように考えてしまう。ですから、仮説はひとつずつ検証する必要があると思います。仮説を検証する方法はさまざまあると思います。先輩に聞いたり、時にはお客様に直接相談してみたり…と。そういうさまざまなプロセスを経て、仮説は初めてお客様にとって価値のある提案になった。これは今でも変わらないIT営業の基本かと考えています。

吉田:

では、時代の変化、IT環境の変化に伴い、変わったことというのは何だとお考えでしょうか?

平手氏:

お客様の課題やニーズを起点にし、それを解決するだけの提案が果たして今の時代の「ITソリューション営業」となり得て、営業としての存在価値を認めてもらうことができるのかということです。時代の変化、IT技術の進化により、今では多くの企業がさまざまな製品やサービスの提供を通じて、いわゆる「課題の解決」を行っていますね。そうした現状の中で、私たちデルを選んでいただくためには「ITソリューション営業」のスタンスをさらに深化させていく必要があると思います。

吉田:

「ITソリューション営業」を深化させるとは…具体的にはどんなことをお考えですか?

平手氏:

課題やニーズを汲み上げるだけではややもすると表層的になりがちです。もう一歩深く、その企業の変化点に対して眼差しを向け続けるということだと考えています。先行きが不透明なこの時代に、変わろうとしているもののどう変わればいいかわからないという企業も多い。そんなお客様に新しい考え方のビジョンを提案することで、新しい事業や戦略、ガバナンスのあり方などを一緒になって模索する、そんな役割をデルが果たすことができればと考えているのです。
--- 「ITビジネスパートナー」としてのデルへ

吉田:

常にお客様の変化を見つめながら、その先のその企業のありよう、イノベーションを提案していく、ということにもつながりますね。そのためには、これまで以上にお客様と深いコミュニケーションが必要になるかと思いますが…。

デル株式会社 代表取締役社長 平手智行氏平手氏:

そうですね。人が生きていく上で大切なことは、コミュニケーションです。それは企業間でも同じだと思いますね。コミュニケーションの量というのは、共有した時間の長さではなく、相手がこちらを理解した量です。お互い、その量が多ければ自ずと信頼は増す。余談になりますが、このことは、私、アメリカの留学時代にイヤというほど経験しました…笑)。初めは英語が全く出来ず、ハンバーガーも思い通りに買えなかったものですから。
仕事で考えていくと、営業としてどれだけお客様のこの先の未来の変化を捉えることができるか。企業の変化点を理解し、そして自ら仮説を立て検証し、提案したことを理解してもらえるか。それがコミュニケーションの量です。その量を増やしていくこと。それがこれからのIT営業として求められていることではないでしょうか。 そのような考え方で、日本のデルとしてパートナー企業様とともに、営業活動に力を注いでいきたいと考えています。

吉田:

コミュニケーションの量を増やすということは、IT営業職の仕事の大事な要素にもなっていきますね。

平手氏:

そうですね。これからのIT営業の魅力とは、さまざまな企業の変化やその動きに対して貢献できることだと思います。 企業がAという地点からBへと進むのか、A'(Aダッシュ)へと変わりたいのか。それらの変化点に対してどのような提案していけば、信頼を得ることができるのか。最終的に提供するものは自社の製品やサービスになるかもしれませんが、どこまでお客様を理解し、変革のプロセスを提案し、推進出来るかがこれからのIT営業の役割だと思います。やりがいがあるはずですよ。

弊社代表 吉田吉田:

ITの法人営業活動をより深く、ダイナミックに考えていらっしゃるのですね。

平手氏:

そう考えざるを得ないのは、技術の進化により、ITは企業経営と不可分な要素となっているからです。単にコストを削減するということだけにとどまらず、企業はこの先の戦略を考えるにあたって、これまで以上にIT技術を前提にしながら将来を展望し、新しい製品やサービスを生み出すことになるでしょう。クラウドにしろAi技術にしろ、そうした潮流のなかにある。企業のそのようなデマンドに対して、われわれ日本のデルとしても常に応えていくには、今後、何をなすべきか。「直販のデル」から「ITビジネスパートナー」としてのデルへ。われわれもまた、進化を続けていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

吉田:

きょうのお話を参考にさせていただきながら、法人営業のありようを深化させるべく、インサイドセールスに対してもこれまで以上にいろいろな角度から研鑽を積んでいきたいと思います。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

プロフィール

平手 智行(ひらて ともゆき)氏
デル株式会社 代表取締役社長

1986年 米国・チャップマン大学卒業
1987年 日本IBM入社
2006年 日本IBM執行役員 兼 米国IBMバイスプレジデントに就任
2012年 米国ベライゾンでエリアバイスプレジデント、ベライゾンジャパンの社長に就任
2015年8月から現職

デル株式会社 Webサイトへ


●平手智行氏 動画インタビューサイトへ(Sales Professionals Site)
http://salesprofessional.jp/professionals-list/hirate-tomoyuki/