高額商材、かつ有形の商材の場合、総じて顧客は競合他社との比較に時間をかけるものです。
顧客は複数の企業に資料請求したり、問い合わせしたりして、結局どこの企業のどの商品を選ぶべきかと迷ってしまい、いっぽう企業は、そうした顧客のフォローを十分にできず、チャンスを逃してしまうことがあるでしょう。
本コラムでは、外資系大手建設機械販売会社の事例をもとに、インサイドセールス導入によってリードのフォローを強化し、営業効率を上げるポイントをご紹介します。
目次
営業リソースの不足により、業務効率化が急務だった
外資系の大手建設機械会社(以後、販売会社)。
展示会や問い合わせ、資料請求などによって獲得したリードの数こそ多かったものの、それらへのフォローが十分でないことが課題でした。
高額かつ有形の商材であるため、顧客は購買を検討する際、必ず競合他社との比較をし、時間をかけて検討します。
一度自社に関心をもった顧客がその後どうなったのか、フォローができていないままだったのです。
また、高額であるがゆえにリピート顧客が多かったのですが、どうしてもそういった顧客への対応に時間をかけてしまい、それ以外の顧客へのアプローチに手が回っていないことも課題と認識されていました。
トライアルで対象エリア、対象サービスを策定
販売会社のご担当は、マーケティングマネージャーのA様。
初回面談では、日本市場における成長のためには、従来の属人的な営業から脱却し、新たなしくみを導入、構築したいというお話をお聞かせいただきました。
インサイドセールス導入の構想段階からコンサルティングさせていただき、3カ月のインサイドセールストライアル活動から始めました。
トライアルでは、対象エリア、対象サービスを限定し、インサイドセールスが本当に活用できそうかどうかの検証からスタート。
結果、予想していた以上に多くの商談数を確保し、見込み案件が創出できただけでなく、対象サービス以外のサービスのニーズも獲得できたのです。
インサイドセールス導入からおよそ1年。
トライアル時よりも対象エリアと対象サービスを拡大し、長期的なインサイドセールス実施となりました。
インサイドセールスアウトソーシングによって、インサイドセールス専任の部隊がリードに架電。
検討事項や希望スペックなどを入念にヒアリングし、ある程度ナーチャリングした段階でフィールドセールス部隊に引き継ぐというフローを構築しました。
訪問前に得られる情報量が飛躍的に向上。訪問回数の削減に成功
インサイドセールス部隊がしっかりとヒアリングすることで、フィールドセールス担当者は入念に提案準備を行い、訪問での商談に臨むことができます。
単なる問い合わせ案件とは異なり、商談前の時点で把握している情報が多いため、訪問回数の削減に成功。
営業の効率化につながりました。
インサイドセールス活動を販売会社の社内報でご紹介いただくと同時に、社長から感謝と激励のメッセージを頂戴しました。
導入後2年半が経過しましたが、販売会社の中で「なくてはならないしくみ」になったとのお声をいただいています。
この事例のポイント
限られた営業リソースを有効に活用するには、営業の効率化が必須です。
訪問する前の段階でリードの情報が多ければ多いほど、商談準備を入念に行うことができ、顧客にぴったりの提案をすることによってクロージングまでの時間を短縮することができます。
インサイドセールス部隊が架電で関係を構築し、ヒアリングした情報をフィールド部隊に共有することで、営業効率化が実現できるのです。
新たに獲得したリードのみならず、既存リードとの関係を掘り起こし、リードがHOT化したタイミングでフィールドセールス部隊に引き渡す手法も有効です。
ご不明な点、さらに詳しく聞きたいなど要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。