株式会社NTTネクシア
インサイドセールス組織をゼロから立ち上げ 3年目で受注額が大幅に拡大。伴走支援で自走型組織へ成長

事例概要
コンタクトセンターの構築・運営をはじめ、さまざまな業務のBPOやDX支援を手掛ける株式会社NTTネクシア。同社では、既存顧客中心の営業体制から転換し、新たな顧客層との接点拡大を目指して、2021年よりインサイドセールス組織の立ち上げに着手しました。その立ち上げ当初から伴走しているのが、インサイドセールス支援のプロフェッショナルであるブリッジインターナショナルです。活動プロセスの設計やSalesforceを活用した案件管理体制の構築に始まり、組織発足後のデータ分析にもとづく運用改善、人材育成まで、幅広い支援を継続的に実施してきました。週1回の定例ミーティングに加え、メンバーへの研修・フィードバックを重ねることで、取り組みは着実に成果へとつながり、立ち上げから受注額が大幅に拡大しました。
事例のポイント
課題
- 売り上げの大宗が既存顧客。事業拡大には新たな営業手法が必要だった
- 組織の立ち上げに必要なノウハウやリソースが社内に不足していた
解決策
- インサイドセールスとデジタルマーケティングを担う組織を新設し、営業体制を刷新
- ブリッジインターナショナルの伴走支援のもと、データドリブンで長期的に機能する営業体制を構築
- インサイドセールス活動の改善サイクルや人材育成を継続的に支援
効果
- 組織立ち上げから受注額を大幅に拡大
- フィールドセールスとの連携が進み、質の高い案件の創出を実現
- メンバーのスキルが向上し、内製化が進んだことで、自走可能な組織へと成長

ビジネスプロセスアウトソーシング
売り上げの大宗が既存顧客
新規開拓のリソース不足が課題に
自治体や金融など幅広い業界にコンタクトセンターサービスや各種業務のBPOを提供する株式会社NTTネクシア。インサイドセールス組織の立ち上げ以前、営業体制は既存顧客向けに特化しており、新規開拓には十分なリソースを割けないという課題を抱えていました。経営企画部ビジネスデザイン室の鷹觜氏は次のように語ります。
「売り上げの大宗を既存顧客が占めており、1人のフィールドセールスが新規顧客の開拓から既存顧客のフォローまで担っている状況でした。新規案件にかけられる時間や人手が限られており、売上拡大のボトルネックとなっていました」
こうした現状を打開するため、同社は新たにインサイドセールスとデジタルマーケティングを担う部署の立ち上げを決断。
「社内にノウハウが不足していたため、立ち上げから運用まで一気通貫で支援してくれる外部パートナーが必要でした」と鷹觜氏は振り返ります。立ち上げメンバーは、わずか3名。ゼロからの挑戦がスタートしました。
豊富な実績と伴走支援が決め手に
既存サービスを前提とした基盤づくり

ビジネスデザイン室
販売促進担当
担当課長
須賀 美幸 氏
複数の支援会社を比較検討する中で、最終的にNTTネクシアがパートナーとして選んだのはブリッジインターナショナル。その背景には、明確な理由がありました。
「ブリッジインターナショナルは、インサイドセールス支援のリーディングカンパニーであり、数多くの企業で実績があることは認識していました。決め手となったのは、将来的な“自走”を前提とした伴走支援を行っている点です」そう語るのは、経営企画部ビジネスデザイン室担当課長の須賀氏。
インサイドセールス組織の立ち上げ当初から、社内にノウハウを蓄積し、やがてみずから運用・成長していける体制を目指していた同社にとって、“共につくる”スタイルの支援が不可欠でした。
もう1つ、重要なポイントとなったのが「既存システムの活用」です。
「当社ではすでにSalesforceを営業管理に活用していました。インサイドセールスを立ち上げるにあたっても、新たなツールを導入するのではなく、既存のSalesforceを活用して営業連携を強化していきたいという前提がありました。その点、ブリッジインターナショナルはSalesforceをベースとした構築・運用支援が可能だったことも、大きな決め手になりました」(須賀氏)
こうして2021年12月に契約を締結。約半年間の準備期間を経て、2022年5月には実際のインサイドセールスによるコール業務が稼働し始めました。
直面した3つの課題
トスアップ基準から案件管理の設計まで

ビジネスデザイン室
販売促進担当
鷹觜 春奈 氏
実際の立ち上げ段階では、現場ならではの具体的な課題がいくつも浮かび上がってきました。鷹觜氏はその中でも、特に大きかったものとして次の3点を挙げます。
「1つ目は、フィールドセールスに案件をトスアップする際の“基準”をどう設けるか。2つ目は、Salesforce上で“何を・どの粒度で・どのプロセスで”管理するかをどう設計するか。そして3つ目が、インバウンド業務に慣れたメンバーの思考を、アウトバウンド型の営業マインドへどう転換するかという点です」
案件のトスアップ基準については、ブリッジインターナショナルから基本となるモデル案の提供を受け、それをもとにフィールドセールスと議論を重ねていきました。
「最終的な基準はフィールドセールス側とも合意形成ができ、双方にとって納得感の高い内容に仕上がりました」(鷹觜氏)
また、Salesforceの設計においても、インサイドセールスで必要となる項目をゼロから構築。有効コンタクト率を取得するための項目や、トスアップ条件を判定するための入力項目などについて、ブリッジインターナショナルと実際の画面を共有しながら詳細に詰めていきました。
「本当に手厚くサポートいただきながら、Salesforceの各項目を一緒に作り上げていきました。」と須賀氏は当時を振り返ります。
このように、時間をかけて丁寧に構築した案件管理の仕組みは、現在のデータドリブンなインサイドセールス活動を支える土台となっています。
運用フェーズに入った今も、ブリッジインターナショナルとの週1回の定例ミーティングを継続。Salesforceのデータをもとに課題を特定し、改善策を検討しています。また、運用の中で必要に応じて管理項目の追加や修正を行うことで、案件管理の設計自体も進化を続けています。
最大の壁は「インバウンド思考」からの脱却
研修と伴走で営業マインドを育成
立ち上げ初期に直面した3つの課題の中でも、特に難度が高かったのが「インバウンド思考からの転換」だったといいます。新たに配置されたメンバーは、コンタクトセンターでのインバウンド対応の経験は豊富でしたが、アウトバウンド型のインサイドセールスには初めて取り組む状態でした。そのため、従来の受動的な顧客対応から、自ら顧客にアプローチする意識へと転換する必要がありました。そこで導入されたのが、ブリッジインターナショナルによる独自のインサイドセールス研修です
「ISR研修では、インサイドセールスに求められる役割や思考、成果基準を一から教えていただき、しっかりと習得することができました」と鷹觜氏は当時を振り返ります。
組織の稼働が始まった後も、ブリッジインターナショナルのインサイドセールスメンバーが実際に現場に入り、組織の一員として伴走。日々の活動データをもとに、成果の評価や改善支援を継続的に行いました。例えば、コール内容の録音を用いた1on1では、担当者と一緒に音声を聞き、対応ログを確認しながら具体的な改善点をフィードバック。納得感のあるアドバイスにより、メンバーのスキルは着実に向上していきました。
「伴走メンバーには、人材育成の面はもちろん、新規案件のトスアップ数といった成果面でも、組織を大きくリードしてもらいました」と須賀氏も語ります。
こうした支援を経て、現在では鷹觜氏が講師となり、新たに加わるメンバーに対して社内研修を実施するまでに。インサイドセールス組織は、確かな内製化のステージへと移行しています。
業界別チームで連携を強化
3年で受注額が大幅に拡大、次のステージへ
NTTネクシアでは、インサイドセールス組織の成長を「初年度=立ち上げ期」「2年目=運用期」「3年目=発展期」と段階的に位置づけ、着実なステップで成熟を図ってきました。大きな転換点となったのが、業界別のチーム編成です。
「フィールドセールスの体制が自治体、金融、民間企業に分かれていることを踏まえ、インサイドセールス側も業界ごとにチームを分けました。より業界に特化したアプローチができるよう、ブリッジインターナショナルと相談しながら検討を重ねました」と須賀氏は語ります。
この業界別チームへの再編によって、メンバーの専門性や顧客理解が大きく向上。政策変更や法改正といったタイムリーなトピックにも柔軟に対応できるようになりました。
「例えば、フィールドセールスから『制度・法制度等の動向に応じた各自治体のニーズ把握をしてほしい』といった相談が寄せられた時も、密に連携しながら機動的に動けるようになりました」(須賀氏)
また、こうしたフィールドセールスとの連携強化により、トスアップの精度が向上。従来の「数」重視から「質」重視へと方針を切り替えたことで、営業活動全体の効率化にもつながっています。
その結果、インサイドセールス立ち上げ当初から受注額が大幅に拡大。大きな成果を上げるに至りました。
「インサイドセールス内のデータを日々分析し、改善ポイントをすぐに特定して対策できる“データドリブン運用”の仕組みも、この成果を支える大きな要因だと感じています」と須賀氏は振り返ります。
現在、NTTネクシアはブリッジインターナショナルの支援から徐々に自立し、自走フェーズへと移行中。これまでに培った知見をもとに、今度は自社がクライアントの課題解決を支援するなど、新たな展開にも乗り出しています。
コメント
ブリッジインターナショナルとの連携を通じて、自社のインサイドセールス立ち上げで培ったノウハウを、より多くのお客様の営業支援に役立てていきたいと考えています。これからも、新しい形で共創を続けていけたらと思います
経営企画部 ビジネスデザイン室 販売促進担当 担当課長
須賀 美幸 氏
ブリッジインターナショナルに伴走いただくことで得られた知見を元に内製化を進めていく予定です。今まで以上にお互いの強みを活かしながら、密に連携し、より強い組織をともに作っていきたいと考えています
経営企画部 ビジネスデザイン室 販売促進担当
鷹觜 春奈 氏
関連する解決できる課題
関連ケイパビリティ
まずはお気軽にご相談ください
「インサイドセールスの立ち上げで、何から決めるべきか悩んでいる」
「コールを始める前の設計で、不安や迷いを感じている」など
体制設計・役割分担・KPI設計まで、お客さまの状況に合わせたご支援が可能です。