エクスジェン・ネットワークス株式会社
メーカーとしてのマーケティング活動を本格始動
コラム掲載で流入を増加、CDPの構築も推進

事例概要
統合ID管理のベンダーとして高く評価され、国内出荷本数も17年連続No.1(外部機関調べ)となっているエクスジェン・ネットワークス。同社は、2021年から本格的なマーケティング活動を展開しています。その立ち上げから伴走しているのがブリッジインターナショナル株式会社です。KPI(Key Performance Indicator)やその目標値の設定からサイト流入数増加のための施策提案や実施まで、多岐にわたる支援を行っています。さらに、2024年には低コストで実現できるCDP(Customer Data Platform)の構築も提案。これによって次の戦略や「勝利のパターン」が見出せると評価されています。
事例ポイント
課題
- メーカーとしてのマーケティング活動による案件創出
- 市場がクラウドへとシフトするのに伴い、その環境に対応する必要があった
解決策
- ハイタッチ案件を獲得するための環境構築
- オーガニック検索での流入を増やすためコラムを制作
- データを活用したマーケティング施策を実現するためCDPも構築
効果
- コラムの掲載によってサイト流入数が以前の3倍以上に
- 2024年度の売上も対前年度比で133%に増加
- CDPで顧客行動や受注に至る経緯も明確に
販売はほとんどパートナー経由
メーカーとしてのマーケティング活動が不可欠だと痛感

専務取締役
引間 賢太 氏
2003年に統合ID管理ツール「LDAP
Manager」をリリースして以来、統合ID管理の専業ベンダーとしてビジネスを展開してきたエクスジェン・ネットワークス。この製品は「統合ID管理パッケージ国内出荷本数」で17年連続No.1(外部機関調べ)となっており、数多くの企業の「ID管理に関する課題」を解決してきました。その後も「LDAP
Manager」で培ってきたノウハウを活用したIDaaS(クラウド型ID管理サービス)「Extic(エクスティック)」を提供。クラウドとオンプレミス双方でのID連携・管理ができる国産IDaaSとして高く評価されており、「ITreview
Grid Award 2025 Summer」では「LEADER」に位置づけられています。
そのビジネスモデルについて「当社はパートナー経由での販売が多く、営業活動も主にパートナーを対象にしていました」と語るのは、営業本部で専務取締役を務める引間賢太氏です。その比率は、パートナー営業が9割、直販はわずか1割程度でした。「自ら案件を作るケースが極めて少なく、社長も『営業の観点では当社の立場は弱い』と認識していました」(引間氏)
2019年頃に統合ID管理の主戦場が、オンプレミスからクラウドへとシフトしたことが大きなきっかけとなり、この問題の解決に向けた検討がスタートしました。
「この時期にはオンプレミス製品の売上が減少しつつありました。当社はすでにクラウド製品の提供も開始していましたが、パッケージ販売を中心としていたパートナーにとって、クラウド製品の取り扱いがまだ難しかったという状況に直面しました。マーケット自体はどんどんクラウドにシフトしていたため、その販路を自ら作り上げることを決断しました」
マーケティング立ち上げから伴走支援
検証段階を経てコラム掲載を提案

部長
前田 祐一郎 氏
そこで相談を持ちかけたのが、ブリッジインターナショナル(当時は2BC株式会社、2024年3月にブリッジインターナショナルによる吸収合併により統合
)でした。その理由について、引間氏は次のように語ります。
「私はエクスジェン・ネットワークスの前に親会社のソフトクリエイトにいたのですが、そこですでにお付き合いがありました。ハイタッチできるルートを開拓するにはマーケティングが重要になるものの、立ち上げフェーズが最も困難です。しかし、2BCであれば私たちに寄り添いながら、立ち上げからしっかりやってもらえる確信がありました」
2021年からブリッジインターナショナルの支援のもと、マーケティングの立ち上げに着手。まずはKPIとそれらの目標値を「仮設定」し、どのような手法を使うべきかの検討が進められていきました。
「その当時はまだオンラインのデータが取得できる状態ではなかったため、一般的なデータを参考にしながら、どのようにマーケティングファネルを作り上げるのかを考えていきました」と語るのは、マーケティング部で部長を務める前田祐一郎氏です。ここで基本的な手法とKPIをある程度固め、サイト流入数の計測もスタートしたと振り返ります。「この状態で半年間回し、年度末に結果を見て微調整をかけていきました」(前田氏)
その上でブリッジインターナショナルから提案されたのが、ウェブサイトに設定したターゲットの購買プロセスに応じ、適したコンテンツを充実させていくことでした。当時のウェブサイトには、製品紹介や会社紹介、問い合わせフォーム、製品カタログ、価格表しかなく、製品や企業に興味のある人しか訪れない状況でした。そのためサイトへの流入数も少なかったのですが、
ID管理に関する課題解決のヒントや役立つ情報を提供するコンテンツを掲載することで、将来的に
ID管理製品の導入を検討する企業が、エクスジェン・ネットワークスの価値を知るきっかけになるとと考えました。
サイトへの流入数は以前の3倍以上に
マーケティング経由での案件も3割に増加
2022年4月にはID管理に関する課題解決につながるコンテンツ(コラム)の掲載をスタートしました。その後は年間7~8本のコラムやホワイトペーパー、アンケート調査結果レポートなどを掲載し、現在(2025年6月)までに40本以上のコンテンツを作成し掲載していますが、その効果は劇的でした。
「コラムを開始した年のサイト流入数は、その前に比べて1.7倍近くに増大しました。その後も順調に流入数は増え続け、2024年度には開始前の3倍以上になっています」(前田氏)
その最大の理由は、オーガニック検索で上位にヒットしやすくなったからです。そのためにコラムの内容も、ユーザーに寄り添った内容にしているのだと引間氏は説明します。
「テーマとしてはID管理の技術的な話だけではなく、特定業界の話題を取り上げたものを増やしています。最近では自工会のサイバーセキュリティガイドラインをテーマにしたコラムを掲載しており、他にも大学向けや自治体向け、GIGAスクール構想に関するコラムなども制作してきました。このような内容であれば製品名や会社名だけではなく、ユーザー課題に関するキーワードで検索にヒットします。例えば『自工会
認証認可』でGoogle検索すれば、当社のコラムがトップに表示されます」(引間氏)
このようなコラムの存在は、他のページへのアクセスも増大させています。「セミナーや資料ダウンロードのページに来るアクセスも、必ずコラムを経由しています」と前田氏は話します。ユーザーの課題に寄り添ったコラムを読んでもらうことで、会社としての信頼を得ることに成功しました。
「今ではマーケティングからの案件の比率が3割程度にまで増えていますし、売上も伸びており、2024年度は対前年比で133%となっています」と引間氏は語ります。
低コストなCDPでデータを積極活用
「勝ちパターン」の発見を目指す
このように初期の立ち上げからサイト流入増のためのコンテンツ企画・制作など、さまざまな形でマーケティングを支援しているブリッジインターナショナルは、2024年3月にはさらに新たな提案を行いました。それはデータ活用のためのCDPの構築です。
「実は2021年にもCDPの導入を検討しましたが、当時はコストが高すぎることを理由に導入を見送りました。これに対してブリッジインターナショナルは、無償または安価に使えるツールを組み合わせた、極めてリーズナブルなCDPを提案しました。当社ではすでにkintoneを営業活動で使っていましたが、これと連携する提案だったことも評価しました」(引間氏)

このCDPには低コストであること以外にも、大きく3つの特長があります。第1はkintoneと連動することで既存顧客の状況が把握できること。第2はBigQueryにデータを集約することで多角的な分析が行えること。そして第3がユーザーの行動データから意図や目的を推測する「インテントデータ」を入手できることです。
「CDPによって顧客行動が読めるようになり、打ち手も立案しやすくなりました」と前田氏は語ります。実際に施策が、どの程度効いているのかも評価しやすくなったと言います。その一方で引間氏は「既存顧客や離脱顧客の動向もわかります」と評価。オンプレミス製品の既存顧客がクラウド化を検討していることや、一度利用をやめた顧客が再来していることなどを把握することで、適切なタイミングでアプローチできると語ります。
「実際にCDPを使うようになってから、それまでは貴重なデータを捨てていたのだということを痛感しました。今後はどのような経緯で受注に至ったのかを、すべての案件で洗い出していくことで、次の戦略や勝利のパターンも見出せるようになるはずです」(引間氏)
コメント
「実際にCDPを使うようになってから、それまでは貴重なデータを捨てていたのだということを痛感しました。受注までの経緯をすべての案件で洗い出すことで、次の戦略や勝利のパターンも見出せるようになるはずです」
── 営業本部 専務取締役 引間 賢太氏
「コラムを開始した年のサイト流入数は、その前に比べて1.7倍近くに増大しました。その後も順調に流入数は増え続け、2024年度には開始前の3倍以上になっています」
── マーケティング部 部長 前田 祐一郎氏
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