自社で管理するサイトやオウンドメディアなどを活用して、見込み客を獲得する際には、メールアドレス等の情報の登録やSNSでのシェア・拡散など、想定の行動をユーザーに取ってもらうことを目的とすることが多いはずです。企業側が想定した行動をユーザーに取ってもらうために、コンテンツの質を高めることや、ユーザーが行動する際に行動しやすい状況を作ることが大切です・。その仕掛けことを「CTA」と呼びます。本ColumnではCTAの意味や設置するメリット、その種類について解説します。
目次
CTAの意味
CTA(Call To Action)とは、Webサイトの訪問者を具体的な行動に誘導すること、そしてそのためのボタンやリンクなどのイメージやテキストの仕掛けを指します。
今やあらゆるWebメディアに、何かしらのCTAが設けられているはずです。たとえば、弊社コラムの各ページの下部には、電話番号とメールアドレス、そして問い合わせフォームが窓口として設置されています。他にも、SNSやRSSのボタン、資料請求ページへのリンクなど、さまざまなCTAを目にすることができるでしょう。
リンクやボタンを設置するためには、設置するための技術的スキルがCUIベースで必要となり、本来であればHTMLやCSSの知識が求められます。しかし、今ではCMSなど(Contents Management System)の技術革新の恩恵もあり、皆さんがいつも仕事で利用されている業務ソフトのMicrosoftワード・エクセルで図を挿入するようなイメージで、GUI上のみの作業で同じような設置ができるようなツールも多く存在しています。
[GUI/CUI 一般的に業務で見ている画面はそのほとんどがGUIです。CUI:Character User Interface/GUI:Graphical User Interface。ユーザーインターフェース:ユーザーがPCに指示を与えるときに使う入力手段。また、パソコン同士の情報交換の手段。よって、GUIとCUIの違いは、“ユーザーインターフェース”が「Character」(文字)を手段として使用するか、「Graphical」(グラフィックや図)を使用するか、という違いになります。]
見込み客の獲得に不可欠なCTA
CTAは、見込み客の獲得に不可欠な施策/ツールです。
例えばオウンドメディアにおけるコンテンツは、ただ読了すること(≒PV数増)だけが目標ではありません。当然、目標とするのは、コンテンツ読了後のユーザーの行動であり、提供したコンテンツを通じて、自社のブランディングポジションを向上させたり、自社製品・サービスへの資料請求へつなげたりすることに重点を置いています。
そのために、ユーザー読者の行動を促す『CTA』は極めて重要な施策・ツールとなります。CTAがなければ、もし、ユーザーが問い合わせをしたいと考えたとしても、その企業のサイトを検索して、問合せ用の番号やコンタクト用のフォームやメールアドレスを自分で調べることになります。セミナーに参加したいユーザーにとっても、すべて自分で探さなくてはならない状況になります。これでは、たとえ提供する記事をユーザーが読み終わって、商品や会社に興味を持ち、さらに詳しい情報を手に入れたい、理解を深めたい、具体的な事例や実績を知りたいと考えたとしても、結論、多くのユーザーはすぐにサイトから離脱してしまう可能性が高いでしょう。せっかくサイトに訪問してくれた、さらに自社の製品やサービスに興味を持ってくれたユーザーにさらにアピールをするために、適切なCTAを設置して行動を促したいものです。
効果が期待できる4つのCTA
CTAの種類
最もポピュラーなものは、SNSでコンテンツのシェアを促すために設置するCTAです。
ツイッターやフェイスブックなど各種SNSのボタンを設置して、クリックしてユーザー自体のアカウントで記事のURLを引用する形が自動生成されて自分のタイムライン上で投稿することができます。
また、企業の公式アカウントがある場合は、ボタンをクリックすることで、その企業のアカウントをフォローできるという仕組みも取られています。
次に、メディアの更新通知やメルマガ配信を許可するための登録フォームの設置も多くみられる手法です。メールアドレスの登録により、読者をその後のステップメールやナーチャリングの為のキャンペーンプログラムの対象として扱い、最終的には自社の優良な見込み顧客にするねらいです。
BtoBマーケティングの場合、メールアドレスだけでなく氏名・社名、職位や業種・企業規模などの情報を登録してもらうことが一般的です。BtoCの場合は、メールアドレスだけのことも少なくありませんが、BtoBではより効率的に個々の状況を細かく分けてのマーケティングを行う必要性があり、詳細な情報を入手できるようにします。当然一度に多くの情報を好んで提供したいと思うユーザー/LEADは多くありません。シナリオを入念に仕立てて、加えていきたい情報を少しずつ入手できるようにプログラムを設計していくことも重要です。
そして、資料ダウンロード用のフォームから流入につなげるケースもあります。記事に関連した、より具体的な内容のコンテンツをPDFファイルにまとめ、ダウンロードのためにメールアドレスなどの登録をしてもらうというやり方です。
また、問い合わせ型のCTAのケースでは、その内容を簡単に記載してもらうことでニーズをリサーチすることもできます。
読者の課題を解決できるより絞られたコンテンツを用意している場合は、あえて誰でも読める場所に記事をアップせず、そのクローズド型の記事と引き換えに情報を入力してもらうという手法を選択することもあります。このケース場合、当然そのコンテンツは対象のユーザー/LEADにとって、他では簡単に入手できないようなコンテンツやユーザーにとって不可欠なノウハウが含まれた内容など、有用なものでないと成立しなくなります。
最後のCTAとして。
「関連記事」という形で、そのコンテンツと類似したコンテンツ、あるいはコンバージョンにつながるようなキラーコンテンツをレコメンドすることもよく使用する手段です。これもCTAの一つと考えられます。ユーザー/LEADが目的とする、1記事だけで離脱させず、内部リンクを設置することで複数の記事を往来してもらい、より自社の商品・サービスや企業自体に強い興味関心を持ってもらうことが目的です。
すべての記事でメルマガ登録や資料請求を促すCTAを置くのではなく、CTAを置いたページへ誘導するというトラフィックの作り方も考えられます。
さいごに
CTAは、ユーザーの潜在的なニーズを考慮した形で設計・設定し、実際に試用して検証・改善を多く行うことが重要です。
CTAを設置したページを見たときにわかりやすい、ユーザーにとってのベネフィットを伝えることが出来なければ、CTAのクリック率やコンバージョン率はなかなか高くなりません。
個人情報への意識が日に日に高まり、制度についてもより多面的に厳格な条件が設定されてきている今日においては、CTAを経由して「情報が欲しい」あるいは、「行動を起こしたい」と思えるコンテンツを用意し、商品への期待感を高めるような作り込みが求められます。個々のコンテンツのクオリティや、そのコンテンツの構成、また、コンテンツ同士のつながりも含めたサイトそのものの設計も視野に入れる必要があります。
CTAの設置についても、一定の設計をしたら、まずは設置をして結果を見てみる。その後検証を行い、改善すべきポイントを次回の施策に反映する。このサイクルをできるだけ多く、早く、そして、長く継続することが重要です。