長引くコロナ禍、訪問による営業に代わって新たにインサイドセールスを始めようと考える企業は増加の一途を遂げています。中にはコロナウイルスの影響を受けてインサイドセールスを導入したものの、その運用の難しさを実感し始める企業も出てきているようです。
この記事では、インサイドセールスの導入や運用の参考したい書籍をご紹介します。効果的にインサイドセールスへの理解を深めるおすすめの7冊をピックアップしました。
※この記事は2020年12月4日現在の情報を元に執筆しています。
目次
インサイドセールスとは
インサイドセールスは、リード(見込み客)と直接対面することなく、電話やメール、チャットなどによるコミュニケーションを軸に、顧客にアプローチする営業手法です。原則として訪問はせず、顧客のニーズ(顕在欲求)やインサイト(潜在欲求)をデータに基づいて読み解きます。リードの状況に合わせたコミュニケーションを積み重ねて営業効率アップを目指します。
訪問せずに営業活動を継続できることもあり、コロナ禍においてかつてないほどに世間からの注目が高まっています。もともと国土の広いアメリカで普及したインサイドセールスですが、日本ではまだ歴史が浅く、正しい知見を持つ人もそう多くはありません。
「そもそもインサイドセールスとはなにか?」「導入や運用の方法は?」など基本的な疑問や先入観の解消、より高みを目指すための情報収集手段としても関係書籍が助けになるでしょう。
【参考記事:インサイドセールスとは?その役割・特長と導入の効果を徹底解説】
インサイドセールスの参考にしたい書籍 5選
デジタルインサイドセールス 最新テクノロジーによる法人営業改革の実践
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デジタルインサイドセールス――最新テクノロジーによる法人営業改革の実践
「デジタルインサイドセールス」とは、インサイドセールスに最新テクノロジーを活用し、デジタル化させることによって、さらに効率の良いインサイドセールス活動を実現しようというもの。(本文より抜粋)インサイドセールスの最強の形を「デジタルインサイドセールス 」と定義し、AI時代の到来を見据えたデジタル活用の重要性を解いています。
著者であり、弊社の社長でもある吉田融正が、インサイドセールスが日本でまだ一般的でなかった2002年にブリッジインターナショナルを設立し、世にインサイドセールスを発信し続けてきた先駆者としての視点が凝縮されています。
本書の後半部分「インサイドセールスの導入に関するガイド」では、インサイドセールスに関する用語解説、インサイドセールスの業務範囲/関係部門の役割などがしっかりと定義されており、長年インサイドセールス業務に携わっている方にも今一度目を通していただきたい内容です。
インサイドセールススペシャリスト教本
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インサイドセールススペシャリスト教本: インサイドセールスを始める上でおさえておくべき基礎から応用まで (MyISBN – デザインエッグ社)
ベルフェイス社がこれまで立ち上げに関わった企業の実績をもとに、実際のインサイドセールス業務に沿った具体的なノウハウが惜しみなく集約されています。
第3章からの「実践編(組織編・環境編・運用編)」では、より現場サイドの実践的な内容が紹介されています。たとえばインサイドセールス担当者がスケジュール管理に使用する具体的なツールやアポイント獲得のコツ、資料作成時の適正文字サイズまで、今日からでも使いたくなるテクニックが凝縮されています。
図解や事例が多用されているため直感的に理解しやすく、持ち歩きに便利なサイズ感も、情報収集に多くの時間を割けないビジネスパーソンにとって重宝しそうです。効率的な学習やノウハウ習得はもちろん、実際の業務で行き詰まった際に見返せば、なにかしら解決のヒントを与えてくれるでしょう。
インサイドセールスの業務内容について知りたい方はもちろん、新たにインサイドセールス担当として組織に迎える人材の基礎教材としても役立てたい一冊です。
インサイドセールス 究極の営業術
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インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる
著者がコンサルティングに携わった実際に企業の事例に基づき、成功するインサイドセールスについて、「組織」の考え方を軸に学べる本です。インサイドセールス施策では「組織づくり」が重要と言われていますが、読み進めるうちにその理由が腹落ちしていき、インサイドセールスが、個人ではなく組織単位の取り組みであることを再認識させられます。
本編とは別に、インサイドセールス導入企業の生の声をまとめた「インタビュー」や、有識者による「コラム」も非常に読み応えがあり一冊を通して理解を深められるよう構成されています。
「自社にインサイドセールスを導入したものの、なかなか成果につながらない」「現状のインサイドセールス組織をもっと底上げしたい」「あらたにインサイドセールス組織を立ち上げるが失敗したくない」と考える管理者や管理者候補の方にこそ一度読んで欲しいおすすめの一冊です。
THE MODEL(ザ・モデル)
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THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
言わずと知れた、インサイドセールスに関する代表書籍のひとつです。本場アメリカから日本へと、インサイドセールスがどのように広まり今日まで浸透してきたのか、著者の経歴とともに時系列で紹介されています。インサイドセールスの全体像把握から実際の現場における細部の事情まで、まさに著者が身をもって経験してきたすべてが詰まっています。
読後、著者本人から直接インサイドセールスのいろはを教わったような充足感と納得感に包まれます。長くインサイドセールス業務に従事する方でも、新たな価値観を与えられるという声は少なくありません。
時間を作ってじっくりとインサイドセールスを理解したい方や、読書好きの方にもおすすめの一冊。インサイドセールスのみならずあらゆるビジネスに通ずる思考の持ち方や、読み進めやすいストーリー調の展開も本書が人気の理由と言えるでしょう。
インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
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インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
先に紹介したTHE MODELがインサイドセールスの「黒本」ならば、本書は「白本」として定着していくであろう、新たなスタンダード本が2020年12月に同じ翔泳社から発売。
著者がインサイドセールスに出会ってからおよそ10年のあいだ、顧客の購買行動はデジタル化し、サブスクリプション型に代表される新たなビジネスモデルが台頭するなど日本の社会はさまざまな変化があったといいます。
そして昨今、そうした時代の流れを象徴する営業のかたちとして注目されているのがインサイドセールスです。企業側にとっては「仕組み」の変革、個人にとっては「働き方」の変革とも捉えている著者。本書では、インサイドセールスの立ち上げ、KPI、採用、マネジメント、テクニックなどインサイドセールスを理解し構築するために必要な内容が網羅されています。ぜひ黒本(THE MODEL)とセットで読んでいただきたい一冊。
番外編|オンライン営業の参考にしたい書籍
zoom営業の教科書
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zoom営業の教科書
いまや多くのビジネスパーソンが使用経験のあるZoom。
本書は、営業の手段としてのzoom活用方法をわかりやすく解説しています。基本操作や便利機能の紹介はもちろん、zoom時代だからこそ大切にしたい営業のマインドについても述べられており、zoom活用はいまや営業スキルの一つとして捉えるべきであると気付かされます。
実際の活用シーンを想定したエピソードから自社での活用イメージを膨らませることができ、成功ポイントだけでなく失敗のポイントが紹介されているのも印象的です。この一冊をマスターすれば、他のオンラインツールへの応用力もつくでしょう。
「zoomを武器に営業成績を伸ばしたい」「オンラインで契約を取るのは難しいのでは」と考える方にもおすすめの一冊です。
デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』 「潜在リード」から効率的に売上をつくる新しいルール
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デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』 「潜在リード」から効率的に売上をつくる新しいルール(MarkeZineBOOKS)
インサイドセールスと切っても切り離せないのが「BtoBマーケティング」の考え方です。インサイドセールス導入を検討する企業の多くがBtoBビジネスを展開していながら、社内にマーケティング担当が不在、ということは珍しくありません。
この本では、BtoBマーケティングの基本的な考え方から、まず初めにすべきこと、必要なツールやその効果的な使い方、また営業活動への活かし方についてまで、簡潔ながら具体的に紹介されています。
BtoBマーケティングについての基本や全体像を理解したい方はもちろん、フィールドセールス(訪問営業)からインサイドセールスへの転身や、自社にマーケティング担当が不在のままインサイドセールス施策が動き出すことになった際はじめに目を通す本としておすすめです。
おわりに
インサイドセールスに関する書籍の出版数は、実はそれほど多くありません。日本でのインサイドセールスの歴史は本場アメリカに比べてまだ浅く、十分な知見やノウハウを持つ企業もまたほんのひと握りです。
インサイドセールス導入のための基本的な知識や具体的なノウハウの習得には、今回ご紹介したような書籍の活用が効果的です。おのずと自社の課題が発見でき、組織の発展に繋がるヒントが得られるでしょう。
課題別に相談できる ブリッジインターナショナルの製品サービス
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