インサイドセールスとは?その役割・特長と導入の効果を徹底解説

BtoBマーケティング TIPS
コラム
2020/06/18
インサイドセールスのイメージ

従来の外勤型営業であるフィールドセールス(訪問営業)に対し、電話やメール、チャットなどのコミュニケーションツールを活用した内勤型営業であるインサイドセールスに、近年多くのBtoB企業が注目しています。

この記事では、BtoBビジネスにおける新たな営業手法として台頭しつつある「インサイドセールス」について説明します。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスは、リード(見込み客)と直接対面することなく、電話やメール、チャットなどによるコミュニケーションを軸に、顧客にアプローチする営業手法です。原則として訪問はせず、顧客のニーズ(顕在欲求)やインサイト(潜在欲求)をデータに基づいて読み解きます。リードの状況に合わせた、適切なコミュニケーションを積み重ねることがきわめて重要です。

インサイドセールスが発展した背景

インサイドセールス誕生の理由は、アメリカの広大な国土にあった

インサイドセールスはもともと、国土の広大なアメリカで生まれ、その後全土に普及した営業手法です。国内で時差が存在するほどの広大な面積を誇るアメリカにおいて、フィールドセールスですべての営業活動を行うことは物理的に難しく、また非常に非効率です。

インターネットが発達する前から、オフラインのアプローチ(電話や、手紙・ハガキなどダイレクトメールの郵送)により、少ない営業リソースでより多くの顧客にアプローチする方法が模索されてきましたが、その結果として生まれた営業手法がインサイドセールスです。

インターネットの発達が、インサイドセールスの発展を後押し

また「顧客の購買行動の変化」もインサイドセールスの発展を後押ししています。

これまで顧客は購買する際、営業担当者を呼んで製品やサービスの話を聞いていましたが、インターネットを活用することで顧客自ら情報収集できるようになりました。質問があれば、企業のホームページに設置された問い合せのフォームやメール、電話で済む状況になったのです。

こうした「営業活動の効率化」や「顧客の購買行動の変化」をふまえれば、インサイドセールスの重要性は今後ますます高まると言えるでしょう。

インサイドセールスの役割と特長

フィールドセールス(訪問営業)との違い

営業活動は、「フィールドセールス」と「インサイドセールス」の2つに分けることができます。

従来の営業活動スタイルであるフィールドセールスは、取引先を訪問し、見込みのあるものを案件化して提案する外勤型営業です。一人の営業パーソンがアポイント獲得から案件化、提案、受注までを一貫して行います。

一方、インサイドセールスは基本的に訪問は行わず、電話やメール、チャットなどのコミュニケーションツールを活用して営業活動を展開します。フィールドセールスのように全ての営業プロセスを担当するのではなく、主に案件化に至るまでの営業プロセスの「一部」を担当します。なお「テレアポ」とは異なり、商談のアポイントメントを取ることが目的ではありません。

リード(見込み客)のニーズや課題をヒアリングしながらコミュニケーションを重ね、充分に購買意欲が高まったらフィールドセールスにバトンタッチする、という構図が最も一般的でしょう。ケースによっては、フィールドセールスに引き継ぐことなくインサイドセールスが商談や成約まで担うこともあります。

※インサイドセールスとフィールドセールスの違いについては、こちらの記事もご覧ください。
インサイドセールスとフィールドセールスの連携で営業効率は飛躍的に向上する

インサイドセールスの役割

インサイドセールスは、営業のミッションに応じた業務機能ごとに、その役割が変化します。

新規開拓:リード(見込み客)管理の役割

将来の顧客となりうるリードの発掘や開拓、醸成を担い、案件化を図ります。この活動はリードジェネレーション/リードナーチャリング(※)と呼ばれ、成果の指標は「獲得したリード数」と「案件化した件数」です。

(※)詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
リード(見込み客)に向けた3つのマーケティングプロセス

顧客維持:案件管理の役割

既存顧客維持がミッションの場合、案件の内容精査、醸成、クロージング(受注)のプロセスを担い、受注金額の増加を狙います。成果の指標は具体的な売上です。

顧客深耕:顧客関係性管理(CRM/Customer Relationship Management)の役割

受注後の顧客と良好な関係を構築し、顧客の取りこぼし防止や契約継続を担います。またアップセルやクロスセル(※)により、顧客生涯価値(LTV)の向上を図り、顧客シェア拡大を目指します。

※アップセル:以前購入した商品・サービスよりも単価の高いモデルに乗り換えてもらうこと/クロスセル:別の商品・サービスを合わせて購入してもらうこと

※CRM/Customer Relationship Managementについては、こちらの記事もご覧ください。
コンサルタントが語る!CRMをBtoBマーケティングで導入する前に知っておきたいこと

インサイドセールスがこれらの役割を遂行することで、効率的なリード創出と受注、顧客関係性の強化、市場のカバレッジ拡大が実現できます。

インサイドセールスの役割・機能変化の図表

インサイドセールスの特長

多くの顧客を担当できる

インサイドセールスは、訪問せずに顧客とコミュニケーションを取る営業スタイルのため、フィールドセールスよりも多くの担当顧客を持ち、また高頻度に接点を持つことができます。また、常に1対1の対話であるため、顧客との柔軟かつ親密なコミュニケーションが可能です。

営業プロセスを迅速に改善できる

インサイドセールスの活動はプロセスで細分化でき、そのプロセスにあった指標を設定することで計画と実績の予実を可視化できます。それにより、課題の特定と解決策の立案を迅速に行うことができます。

コミュニケーション履歴をデータとして管理しやすい

SFA(営業支援システム)CRM(顧客管理システム)MA(マーケティングオートメーション)などのツールを用いたデータ管理・活用も、インサイドセールスの特長といえます。

インサイドセールスは内勤型のため、フィールドセールスに比べ、顧客とのコミュニケーションの内容をより正確かつ確実にデータとして残すことができます。顧客から取得した多くのプロファイル情報を分析し、顧客のニーズや状況に合わせた最適なオファーを提示することが、インサイドセールス活動のキーポイントです。

インサイドセールス導入の効果

インサイドセールス導入による5つの効果

1.リード(見込み客)を選別できる

フィールドセールスが対面で商談する前に、顧客のニーズや抱えている課題、具体的な予算や商品の購入予定時期などについて、インサイドセールス担当が詳細にヒアリングを行います。それにより、そのリードが自社の顧客になりえるかどうかの判断ができ、温度感が高まっていないリードにフィールドセールスが訪問する時間を削減できます。

2.フィールドセールス(訪問営業)が提案とクロージングに注力できる

フィールドセールスは目の前の顧客対応が忙しく、現時点で見込みの薄いリードを十分にカバーすることができません。その結果、タイムリーに対応できずに受注のチャンスを逃すケースも少なくないでしょう。

そこで、リードを育成・醸成する専門担当としてインサイドセールスを設ければ、多くのリードを継続的にフォローし続けることができ、フィールドセールスは提案準備とクロージングに専念できます。

3.顧客情報や営業履歴がしっかり管理できる

「履歴が残っていないため、過去にリードとどのようなやり取りをしているのか分からない」といったことは営業活動の中でしばしば起こる課題です。

インサイドセールスは、フィールドセールスにリードを引き継ぐために履歴を残すので、上記のような事態が防げます。インサイドセールスとフィールドセールスの双方が営業履歴を共有することで、コミュニケーションロスを防ぐこともできるのです。

4. 顧客満足度が向上する

インサイドセールスはリードのニーズをヒアリングし、把握します。その段階を経てフィールドセールスが提案するため、リードとフィールドセールスとのコミュニケーションはよりスピーディに、かつ的確になります。

フィールドセールスの手間はもちろんのこと、顧客の手間も削減でき、顧客満足度も向上するでしょう。

5.マーケティング活動の精度が向上する

マーケティング担当は、売上を得るため数多くの施策を実行します。しかし、施策に対するフィードバックが十分ではなく、次の施策を検討するにあたっての材料が不足している場合も多くあります。

インサイドセールスが行う営業プロセスにおいては、顧客ニーズに触れる機会が多くあります。たとえ受注に結びつかなくとも、顧客の生の声をマーケティング部門へ共有することで、会社にとって貴重な情報を蓄積でき、次の施策のブラッシュアップにも繋がるのです。

※BtoB企業におけるインサイドセールス導入のメリットと具体的な導入事例については、こちらの記事もご覧ください。
BtoB企業がインサイドセールスを導入するメリットと導入事例

インサイドセールスの効果を最大化するポイント

リード(見込み客)のニーズに応じた情報提供

商品やサービスに対する興味・関心の度合いは、リードによって異なります。全てのリードに同じ情報を同じタイミングで提供しても、「不要な情報ばかり提供してくる」と感じられ、かえってリードが離れてしまう可能性もあります。

リードのニーズや抱えている課題をしっかりと見極めて、適切な情報を適切なタイミングで提供することが重要です。

綿密なコミュニケーション

マーケティング部門・営業部門・インサイドセールス部門など、社内の各部門同士の情報共有は徹底しましょう。各部門の連携を強固にすることによって、見込みのある顧客を取りこぼしたり、逆に受注見込みの薄いリードに時間をかけすぎたりする可能性が減らせるからです。

部門間でリードを引き渡す際には、リードの温度感や引き渡しの条件など、双方で合意した尺度を持つことも大切なポイントです。互いに認識の齟齬をなくし、漏れのないコミュニケーションを取るよう心がけましょう。

※リードの引き渡しについては、こちらの記事もご覧ください。
リード(見込み客)に向けた3つのマーケティングプロセス

もちろん、リードとのコミュニケーションも重要です。インサイドセールスは顧客と直接対面しないため、高いコミュニケーション能力が求められます。顧客が求める情報をスムーズに提供し、顧客からの信頼を勝ち取りましょう。

おわりに

インサイドセールスは、自社の営業効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。顧客のニーズは今後さらに細分化し、それに応えられる企業や組織が求められていくでしょう。

顧客情報の共有や顧客フォローの仕組みをいかに効率化して整備していくのか、これからの営業活動においては、その真価が問われる時期に入ったといえるのではないでしょうか。

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