カスタマージャーニーを理解する。ジャーニーマップの作り方

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カスタマージャーニーを理解する。ジャーニーマップの作り方

マーケティングで成果を上げるためには、顧客(見込み客=リードを含む)理解が必要不可欠です。顧客のニーズをつかみ、顧客のニーズに沿った情報提供を行うことが鉄則と言えるでしょう。

カスタマージャーニーは、その顧客理解に効果的な概念の一つです。単なる数字で表した定量的な側面だけではなく、実際に存在する人物のように心理や行動といった定性的な側面まで含めて描き出すことで、貴社の顧客を深く理解できるようになります。カスタマージャーニーの必要性や、カスタマージャーニーマップの作り方について説明します。

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーとは、顧客がある商品を購入するに至るまでの心理の変化や行動を図示したものです。また、問い合わせやメールなどといった顧客とのタッチポイントを書き加えることで、自社のマーケティングリレーションを一覧で可視化できます。カスタマージャーニーを書き出した資料を、「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。

カスタマージャーニーがうまれた背景には、顧客を深く理解することの重要性が大きな要素となっています。

Webサイトへのアクセス数やリード数、成約率など、成果を可視化するための指標は数多く存在しています。しかし、こうした指標はその時点を切り取った数値であり、自社にとって大切な顧客へ最良の体験を提供し、顧客視点のマーケティング施策を打ち出す基盤としては、少々役者不足なのが現実です。

「顧客のニーズ・インサイトを理解し、生活導線からコンタクトポイントを設定する」というカスタマージャーニーに付随して、「ペルソナ」という言葉をお聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか。「男性」「30代」「○○出身」などの属性情報に加えて、性格や行動傾向、趣味、好みなど多種多様な情報を統合し、あたかも現実に存在する人間のように顧客像を作り上げることで、より深く顧客を理解し、適切な手段・タイミングでアプローチすること。これが、ペルソナを作り上げる目的です。

カスタマージャーニーは、ペルソナに時系列の心理変化や行動を加えたものと捉えることができます。商品の購買に至るまで、どのように自社と接点=コンタクトポイントを持ち、どのような心理的変化をもたらしたいのかを設計したものになります。これによって、顧客と自社のコミュニケ―ションを組み立てることができるのです。

カスタマージャーニーがマーケティングに効果的な理由

カスタマージャーニーを作り上げるメリットは、何より顧客=ターゲットを明確化し、自社の関係者で共通した認識を共有できる点にあります。

マーケティングや営業の各種取り組みを行うにあたって、共通した認識がなければなかなか成果に結びつけることは難しいでしょう。メールマガジンを展開するケースや、コンテンツマーケティングを施行するケースでも、ターゲット像とそのニーズや行動が明確になっていないと施策の一貫性が損なわれ、顧客としてもバラバラなイメージを持つことになるでしょう。このように、カスタマージャーニーを作成し、顧客を明確して共有にすることで、優先順位や判断も早くなります。

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社内へ取り組みの状況や成果の説明をする際にも、カスタマージャーニーが役に立ちます。どのような仮説に則って、どのような顧客の、どのステップに力を入れていくのかが、カスタマージャーニーによって一目瞭然となります。もし、異論が出たとしても、現状あるカスタマージャーニーを用いて議論が可能になるため、生産性の高いコミュニケーションになります。

また、カスタマージャーニーの作成が深い顧客理解に寄与するので、マーケティングや営業における施策の企画についても自然に顧客視点で考えるようになり、施策自体のクオリティも向上します。

カスタマージャーニーマップの作り方(BtoB BtoCの違い)

カスタマージャーニーは、BtoBマーケティングでもBtoCマーケティングでも活用されます。その作り方は、どちらの場合でも概ね以下の通りです。

  1. ペルソナを設定する
  2. ペルソナの行動・心理変容プロセスを設計する
  3. ペルソナとのタッチポイントを考える
  4. カスタマージャーニーマップに落とし込む

ポイントは、マーケティングや営業の施策から考えるのではなく、ペルソナに沿った顧客を中心に施策を組み立てていくということです。施策は何かしらの目的(集客増加、成約率向上など)を達成するための手段に過ぎません。そのため、ペルソナの人物像を作り込み、その行動や心理を考え抜いた先にタッチポイントの設計プロセスが入るという流れになります。

ペルソナの人物像や行動、心理を把握する手段として、実際の顧客にインタビューを行い、その顧客が、何に興味を持ち、どのような理由で商品を購買したのか、実際の声・意見・感想を収集しペスソナを組み立てることで、ペルソナに厚みと現地味が増します。

BtoBマーケティングの場合、カスタマージャーニーではなく、バイヤージャーニーと呼ばれることもあります。対法人を対象としたジャーニーでは、購買プロセスまでの過程が長く、合理的な購買行動が取られやすいとされています。BtoCマーケティングの場合は、購買単価が安いことも多いため、合理性以外に個人的な好き嫌いや興味関心などといった感情が購買行動に大きく関わるとされています。そのため、カスタマージャーニーマップもBtoB/BtoCで若干異なることが多いでしょう。特に、行動や心理変容において、BtoBでは商品の比較・検討フェーズが長引くことが多く、BtoCでは短い(ほとんどない)ことが多くなりがちです。ただし、BtoCでも不動産や自動車のように高単価な商材の場合にはBtoBと同じようなジャーニーマップを描くことが多くなります。

おわりに

カスタマージャーニーを作るのは、あくまで、より効果的なマーケティング施策を打ち出し、成果を上げるためです。さらには、よりリアルにターゲットを理解するため作成します。マーケティングの世界では次々と新たな手法が生まれていますが、その本質である「成果」「顧客理解」はきっとこれからも変わることはないと考えています。

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2002年の設立以来、インサイドセールスによる法人営業改革の支援を行ってきた「ブリッジインターナショナル」。日本におけるインサイドセールスのリーディングカンパニーとして、IT、通信・情報、流通、製造などの幅広い業種の企業に対し、「仕組み」「リソース」「道具」などさまざまなインサイドセールスのサービスをご提供し、多くの実績を積み上げてきました。当コラムは、多数のクライアント企業でインサイドセールス組織の立ち上げ・導入支援・MA活用支援などに携わってきたコンサルタントが、これまで蓄積したノウハウを元に執筆したものです。

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