KPI(重要業績評価指標)とは?効率的に活用するためのポイント4つ

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多くの企業は「業績の向上」を目的として何かしらの指標を設定し、検証するためのベンチマークとして採用しているかと思います。最近は「KPI(重要業績評価指標)」という言葉が広く一般的に使われるようになりました。そこで、目標だけでなく「KPI」を設定する意味と、KPIの効果的な活用について、わかりやすく解説します。

KPI設定が重要視されている理由

KPI(重要業績評価指標)とは?

KPI(Key Performance Indicator)はビジネス用語の一つで、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。簡単に解釈すると、

  • その指標を上回ったら、予定に沿った実績に導かれる可能性が高いので「成功
  • その指標を下回ったら、改善を必要とする状況で、端的には予測に反しているので「失敗

といったように、判断・評価するための指標です。

KPIは原則、定量的な数値を用いて設定されます。これは、その数値に至ったバックグラウンドやプロセスではなく、数値という絶対値が判断基準になることを前提としています。例えば、特定製品(またはサービス)の月の売上金額をKPIで設定します。その数値を1000万円とした場合の判断は以下の通りです。

  • 月の売上が1000万円を上回った場合=達成
  • 月の売上が1000万円を下回った場合=未達として取組みの改善を行う

このようにプロジェクトや組織の評価において、誰にでも分かりやすい定量的な数値を設定することから、客観的な指標としてKPIは重要な役割を持ちます。

KPIは目標を分かりやすく可視化し、共有・浸透を促す

KPIは、ビジネスの目標を数値化した指標、とも置き換えられます。KPIを設定することは、社内の目標を分かりやすい形で可視化し、共通の目標の共有と浸透を容易にします。KPIの設定により、プロジェクト内のメンバーがひとつになり、共通の目標に向かって各人が迷うことなくタスクを進められ、生産性も高まるのです。

「全社の英知を集めて売上を上げよう」という曖昧な目標を立てるのではなく、「売上を月500万円アップしよう!そのための改善策を、課題とともに具体的に検証してシミュレーションをしよう」とKPIを設定するべきです。

結果を客観的に評価し、次に活かすことができる

KPIを設定することで、改善策を立てやすくなり、成果が出た後の振り返りも容易になります。

「売上500万円アップ」というKPIに対して、実際には300万円しかアップしなかった場合「200万円足りなかった」という結果が誰の目にも見える形で示されます。その後の分析や検討もスムーズになり、取り組みに不備があったのか、それともKPI自体が無謀だったのかなど、原因と対策について生産的な議論ができます。

逆に目標を上回る数値を達成できた場合にも、その要因は何であったのか、といったナレッジの蓄積と社内への情報共有をすれば、成功例として活用でき、他プロジェクトへの横展開も可能になります。

KPI設定の効果を高める4つのポイント

KPI設定の効果を高めるには、4つのポイントがあります。

1.KGIと連動させながら、現実的な水準でKPIを設定する

1つ目のポイントは、KPIの水準を高すぎず低すぎない、適正と感じられる水準に設定することです。KPIが現実的でないほど高すぎると、メンバーのモチベーションを下げてしまう可能性があります。場合によっては、表面的にKPIを達成するために不正な数字操作に走ってしまうメンバーが出てくる恐れもあるでしょう。

逆にKPIが低すぎると、特に努力せずとも達成できてしまうため、緩みの原因となります。自社の現状を把握して、メンバーが受け入れられる範囲のKPI設定を心がけましょう。

一方でKPIは、経営上の最終的な目標達成指標である「KGI(Key Goal Indicator)」と連動したものでなければ意味がありません。KGIが企業にとって最も重要な目標を指標化・数値化したものであるならば、KPIはKGIを達成するためのプロセスの良し悪しを判断するための指標になります。

通常KGIは、可能な限り経営に関わる最上流の課題を指標として、当該のセクションや組織で担当する業務を加味して設定します。そのうえで、因果関係を持ち、数値的に予測可能な中間指標としてKPIを割り出し、設定します。

2.解釈の余地がないよう明確に設定する

2つ目のポイントは、誰にでも明らかで、違った解釈が生じる余地のない指標にすることです。たとえば「顧客訪問数30%アップ」だと、新規顧客なのか既存顧客なのか、二つを合わせたものなのか、いつの時点と比較して30%アップしていればよいのか、とチームによって解釈が変わる可能性があります。明確なKPIでないと、対策も明確にはなりません。

  • 昨年4月と比較して新規顧客開拓数30%アップ

のように、異なる解釈が発生しないKPIを設定しましょう。

3.KPIをタスクレベルまでブレイクダウンする

3つ目のポイントは、KPIを達成するためのステップを小分けにすることです。提示されるKPIは、得てして数字だけのことが多いものですが、メンバー1人ひとりがKPIにコミットできるように、達成に向けて誰が何をすればよいのか、具体化することが重要です。

数字だけ示して「後は自分たちで考えるように」という設定の仕方もありますが、この方法はKPI達成よりも、メンバーの教育(自分の頭で考えられるようにすること)が目的の場合に適しています。

KPIの確実な達成を目標とするのなら、KPIをさらにブレイクダウンして、タスクレベルに落とし込む作業が不可欠です。

4.視覚的にいつでもKPIに触れられるようにする

4つ目のポイントは、KPIがいつでも誰でも参照できるように配慮することです。提示された当初は意識できていても、しばらく経てばKPIに対する意識は薄れていきます。どのメンバーからも見える位置にKPIが掲示されていると、当事者意識を忘れずに業務に取り組めるものです。例えばSFAツールにKPIを入力するなどして、定期的に進捗を確認できるようにしておきましょう。

SFAなどのツール解説記事
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KPI設定で組織運営もスムーズになる

KPIを設定するメリットは、社内のリソースを特定の目標達成に向けて集中を促せることです。組織が大きくなると、会社全体の業績を向上させることよりも、チームの成績や円滑な業務遂行自体が目的となってしまう場合があります。その場合、KPIの達成はおろか、他チームと反目し合ったり、会社の不安要素へと発展したり、よくない結果を招くこともあります。

組織運営、社員、スタッフ、メンバー

明確で現実的なKPIを設定すれば、非効率な企業体質の代名詞でもある大企業病の予防にもなります。現状がKPIとどの程度乖離していて、その差を埋めるために何をするべきかが全社に共有できていれば、各チームの内部事情が前面に出てくるリスクを減らせます。チーム同士のコミュニケーションもスムーズにとれるはずです。

管理者としては、KPIを設定することで、チームや個人に対する評価を透明化できます。明確に数値化されたKPIが評価基準になるので、評価に頭を悩ませる時間も削減できるでしょう。KPIは、業務遂行だけではなく評価をも明確にする効果を持っているわけです。

さいごに

KPIは、目的を数値化した評価指標です。主観が混じる余地もなく、メンバーに受け入れられる現実的な水準であり、さらに行動レベルまでブレイクダウンされていれば、言うことありません。皆さんの会社でもあらためて『指標』について再考してみてはいかがでしょうか。

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2002年の設立以来、インサイドセールスによる法人営業改革の支援を行ってきた「ブリッジインターナショナル」。日本におけるインサイドセールスのリーディングカンパニーとして、IT、通信・情報、流通、製造などの幅広い業種の企業に対し、「仕組み」「リソース」「道具」などさまざまなインサイドセールスのサービスをご提供し、多くの実績を積み上げてきました。当コラムは、多数のクライアント企業でインサイドセールス組織の立ち上げ・導入支援・MA活用支援などに携わってきたコンサルタントが、これまで蓄積したノウハウを元に執筆したものです。

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