企業における営業部門のミッションは、自社の売上拡大に他なりません。しかし実際の営業現場では、一部の得意先企業や優秀な営業担当による売上に依存しているケースも多いでしょう。この記事では、営業部門が抱える慢性的な課題の打破に効果的な「インサイドセールス」について、基本的な考え方を解説します。
目次
営業課題が慢性化する構図
売上目標を達成するために不可欠なものはいくつかありますが、その中にはいうまでもなく「営業力」が存在します。しかし多くの営業現場では、営業力を個人の能力に任せてしまっているのが実情です。
その結果、一部の優良な顧客と優秀な営業担当に売上が支えられる構図ができあがり、優良顧客との取引終了や優秀な営業担当者の退職のたびに、甚大な影響が出るので、それを補う対策を取らねばなりません。こうした負の構図から抜け出すためには、組織全体の営業力を底上げし、営業担当者の「スキル平準化」に取り組むことが非常に重要です。
<営業課題の具体例>
- ひとりの営業担当が担う業務が膨大・煩雑なため、商談の質が下がる
- 営業力が個人に任されているため、優秀な営業ノウハウが組織に蓄積できない
- 目標達成に追われ、営業担当者の育成に時間が割けない
- 直近の顧客対応が優先され、将来的な見込み客の発掘・醸成がおろそかになる
- 顧客の状況を担当者しか把握しておらず、組織としてバックアップできない
- 顧客からの問合わせがあっても、担当者が不在の場合は対応が遅れる
慢性的な営業課題を解決する「インサイドセールス」とは
インサイドセールスとは、従来のフィールドセールス(訪問営業、対面営業、外勤営業、アウトサイドセールス)と対になる営業手法で、電話やメール、Webツールなどを活用した非対面営業(内勤営業)のことをいいます。フィールドセールスとインサイドセールスとで、必要な営業プロセスを分業して行うことで、業務が効率化され売上向上が期待できます。
分業というと、内勤の営業事務や営業アシスタントのような、フィールドセールスの補佐的な役割をイメージしがちですが、インサイドセールスの本質は「アシスタント」業務とは根本的に異なります。ここでいう分業とは営業活動のプロセスを分解し、顧客の状況によって営業リソースを適正に配置する、というものです。
具体的には、まずインサイドセールスが見込み顧客の発掘や醸成を担当し、商談機会を生み出します。インサイドセールスが能動的に案件を生み出すことで、フィールドセールスは確度の高い案件の提案・成約活動に集中できます。つまり、プロセスに応じて役割と責任を分けることで、営業効率をアップさせることができるのです。
おわりに
売上目標の達成に向け、営業部門は長期に渡りさまざまな活動を実行しますが、それらの過程をインサイドセールスとフィールドセールスとで分業すれば、プロセスごとの業務効率化につながります。それと同時に「見込み顧客を取りこぼさない」営業体制を実現できる点が、インサイドセールス活用の大きなメリットです。
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