2015年から2016年にかけて、いろんなところで「AI」「人工知能」という言葉を目にするようになりました。
IT業界では、どんなソリューションにも「AI」というキーワードが付いてくるようになりました。確か「シンギュラリティ※」という言葉を聞くようになったのもこの頃です。そう、AIが人間を超えるというのです。この話の盛り上がりに合わせて、「AIが人間の仕事を奪う」という表現もよく使われるようになりました。
さて、インサイドセールスの仕事はAIに奪われてしまうのでしょうか?
※シンギュラリティ(技術的特異点):人工知能が人間の能力を超えることで起こるできごと、また、その時点。
インサイドセールスの業務をもっと効率化したい!!
ブリッジインターナショナルでは、主要事業である「インサイドセールス」業務を支援するための仕組み(システム)として、「Funnel Navigator(ファネルナビゲーター)」というクラウドサービスを提供しています。
少し宣伝になってしまいますが、2002年の創業当時からインサイドセールス業務を推進する中で数々の経験を積んできたため、それらを1つのナレッジとして世の中にご提供しようということで、パッケージ製品に凝縮し、2014年にリリースしました。
※詳細はこちら(http://funnelnavi.com/index.html)
このクラウドサービスですが、他のクラウドサービス同様に、ユーザーの皆様により長くご利用を継続していただけるように、定期的なバージョンアップを行っております。
年2回のバージョンアップをお約束しておりまして、半年ごとのサイクルを回しているのですが、そうなると半年ごとに追加機能を検討するタイミングがやってくることになります。
弊社がアウトソーシング業務を請け負わせていただいているクライアント様のプロジェクトでも利用しておりますので、社内にもたくさんのユーザーがいるということになり、それらのユーザーからも追加要望等が出てまいります。一方で、製品開発チーム側でも集まって、わいわいがやがやと検討を行うことになっています。
「XXXXXXみたいな機能があれば、結構便利になるんじゃないかな。」「意外とXXXXXXに時間がかかっていると聞くので、これをシステムで自動化すれば喜んでくれそうな気がする。」「現場ってXXXXXXに困ってたりするよね。だったら、XXXXXXXが簡単に実現できればうれしいんじゃない?」等々の意見が出てきます。これらはすべて、インサイドセールスの業務を効率化したり、成果を最大化することを目的としております。
そんなことに頭を悩ませていたとき、一人のメンバーが言いました。
「なんだかんだ言っても、外からExcelでターゲットリストが届くと、すでにFunnel Navigatorに入っているデータと突き合わせて、名寄せとかする必要があるんだよね。だったら、データオペレーションを行ってくれる●●さんがシステムの中に入ってくれていればいいのに。。」
(私の頭の中の思考)そうだね。結局のところ、人の判断が必要になるから、それくらいの機能が必要になるよね。
ん? それって要するに人工知能ということになるのではないだろうか?
いや、待てよ。 人工知能がそこまでのことをやってくれるのだとすれば、そもそも人工知能がインサイドセールス自体を行えば良いのではないだろうか?
あれ? インサイドセールスの効率化について一生懸命考えているけれど、果たして5年後にはインサイドセールスは存在しているのだろうか?
そんなことをぼんやりと考えているうちに、アイデアもいくつか出たので、Funnel Navigatorへの追加機能の検討会議は終了しました。
Funnel Navigatorは次のバージョンアップに向けて、機能開発が進んでいくこととなりました。
“奪う”のではなく、“助ける”
さて、インサイドセールス業務を主要な業務としているブリッジインターナショナルとしては、それらの業務がAI(人工知能)に奪われるものかどうか、気になります。
インターネットで「人工知能に奪われる職業」を調べてみると、「電話オペレーター」というのが目に付きます。「電話販売員」「セールスマン」なんていう言葉もあります。
普段は「インサイドセールス」は「テレマーケティング」とは違う!と言っているわけですが、「電話」だけでなく「営業」的な言葉が出てくるといよいよ不安になってきます。
少し目線を変えて考えてみたいと思います。
ある日、自分の会社に電話がかかってくるとします。
「●●さん、お電話です。」
「はい、お電話代わりました。●●です。」
「●●様、いつも大変お世話になっております。本日はXXXの件でお電話差し上げました。ただいま少しお時間よろしいでしょうか。」
・・・・
現在考えられる、AI(人工知能)が話す言葉や話し方。
なんだか普通に“業務の”会話ができるようには思えません。きっと、違和感なく会話ができる時代はいつか来るでしょう。でも、そうなるにはもう少し時間がかかりそうです。違和感があるうちは、そういう“営業的な”お電話にはあまり長時間付き合う気はしないように感じます。
それならば、“奪われる”とは思わずに、“助けて”もらうということは考えられないでしょうか。
自分が営業活動を行っている場面では、よく“反省”します。
あのとき、ああいう言い方をしたのは失敗だった。もっとこういう言い回しをしたほうが伝わりやすかった。話す順番を間違えた。ご担当者のあの性格を考えると、もう少し下手に出たほうが良かった。最初にまず謝罪すべきだった。等々。
インサイドセールスの現場でも同じような“反省”は多々あります。
特に、インサイドセールスの場合にはメインとなるのは“話し言葉”です。そこには、ワード、言い回し、抑揚、等の要素があります。これらをバランス良く詰め込んで“会話”をするということは、まだ“生身の”人間にしか難しいのではないでしょうか。ただし、案内する製品やサービスの詳細、技術的な説明、訴求すべきポイント等をすべて頭の中に入れ、相手のバックグラウンド(現在の環境、周りの状況、これまでの経緯、等)を意識しながら話し分けるのは至難の業でもあります。
そうであればシステムが、相手の会社とのこれまでのやり取りや相手の会社の現在の環境や状況、あるいは相手の類似企業とのこれまでのやり取り(これらの情報はすべてCRMシステムに入っているはずです)を参考にして、何を次に話すべきかをナビゲートしてくれれば、インサイドセールスによる営業活動はもっともっと効果的になるのではないでしょうか。
そうして私たちはAI(人工知能)というものでインサイドセールスを助ける方法を模索していくことになったのです。
まとめ:インサイドセールス支援AIを目指して
昨今では毎日のようにAI(人工知能)が何かを実現したというニュースを目にします。一方で、そのことにより一部の人々が職を失うことを示唆するような文面も見受けられます。
それらの記事は確かに事実を語っているケースもあるかと思います。
しかしながら、“営業活動”の根本は、人と人とのコミュニケーションであり、それは簡単には“人と人工知能とのコミュニケーション”には置き換わらないように感じるのです。
私たちはコミュニケーションの現場を大事にしつつ、そこで語られる内容をより高度化するために、インサイドセールスを“助ける”AIの開発を進めていきたいと思っています。
インサイドセールスを助けるAI(人工知能)。
そんなものがあれば、もっともっとインサイドセールスは活躍できるのではないかと信じています。
※詳細はこちら(https://bridge-g.com/service/sales-tools/)
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