インサイドセールスにおけるプロセス分業のメリット

書籍P27「デジタルインサイドセールス」第1章 進化するインサイドセールス、3-1.日本でもインサイドセールスの認知が向上、法人営業改革が始まっている①

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コラム
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プロセス分業のメリット

営業プロセスにおける分業の基本

ここで簡単に、インサイドセールスの導入にあたって基礎となる、プロセス分業の基本的な考え方について触れよう。

図表1-5のように、一般的に、営業プロセスの前半戦、リード(見込み客)発掘や醸成はインサイドセールスが担当し、より多くのターゲット顧客に効率よくアプローチすることで来期以降の売上につながる活動を行う。そして、今期の売上に直結する提案や成約活動といった後半戦のプロセスは、訪問営業が担当するパターンが多く見受けられる。

分業が訪問営業・インサイドセールス、双方のメリットにつながる

この結果、図表1-6で示したように、一人の訪問営業ですべてのプロセスを担当していた頃は困難だった、それぞれの営業プロセスに十分なワークロードがかけられるようになり、リード発掘や醸成活動はインサイドセールスによって成果を確保しつつ、訪問営業は提案や成約活動に集中することができるようになるのだ。

昔ながらの日本企業にも導入が進むインサイドセールス

ところで、中堅、中小市場に対して、特別にインサイドセールスのチームを置くかどうかを聞いたところ、五割弱は導入を考えているようだ。

私が知っているある製造会社は、昔ながらの中堅企業だ。歴史を感じさせる社屋には、工場とともにレンガ造りの記念館がある。その記念館には、社史を辿れる資料が展示してあり、「ここまで百何十年頑張ってきました」ということが書いてある。社屋の敷地内には創業者の銅像があり、駐車場には何台もの黒塗りの車が停まっている。「人生をかけて会社に尽くして、早くああいう黒塗りの車に乗りたい」と思わせる光景だ。

そんな昔ながらの典型的な日本企業であるこの製造会社から、インサイドセールスを導入したいという話を聞いたときは、「ああ、ここまできたか。この会社がインサイドセールスを……」という感慨があった。社員全員が社長に敬礼して、「営業に行ってきます」と声をそろえるような会社が、インサイドセールスの導入を決意するような時代になったのだ。

インサイドセールスは欧米発の営業モデルだが、日本もそれなりに広い国土をもち、日本人には職人気質にも通じるプロフェッショナル気質がある。また、最近の就業人口の減少や雇用の流動化を考えると、欧米の状況と近くなっていると言える。

欧米の状況について詳しくはこちら|欧米諸国におけるインサイドセールスの進化

 

ここのところ「インサイドセールス」というキーワードの検索数が急激に増えている。図表1-7は、グーグルで「インサイドセールス」というキーワードが検索された数を表したものだが、その数が、ここ3年で4~5倍近くになっているのがおわかりだろうか。

インサイドセールスが企業人たちの興味を引いていること、「インサイドセールスをやってみたい」という求職者がいることで検索件数が増えていると思われるが、このデータは、インサイドセールスが急速に広まっているという裏付けになるだろう。

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