さて、次のステップは、マネジメントサイクル策定/システム構築/展開準備だ。
目次
マネジメントサイクルの定義(KPI・KGIの設定とPDCAサイクル)
マネジメントサイクルとしては、具体的なKPI/KGI(Key Performance / Key Goal Indicator)の設定をし、それらのPDCAサイクルを決めることである。
注意したいのは「売上」というKGIだけしか見ない運用は避けるべき、ということである。インサイドセールスは訪問営業に比べて、プロセス管理を徹底しやすい。
顧客との電話/メールの履歴を残すことは、会社にとっても自分にとっても有益であることは明白だが、さらにそれを業務に組み込み、インサイドセールスがきちんと情報を残す。これにより売上に至るまでの先行指標、例えば顧客の課題が聞けた、予算化をしようとしている、など具体的な案件になる前のセールスステージを管理することができるので、売上以外の指標もしっかりと管理していくべきである。
4つのステップを経て可能となるインサイドセールス
以上、ここまで説明した4つの導入ステップを着実に経ることによって、図表2-7「インサイドセールス概要」のような営業モデルが実行可能になる。
現在行っているインサイドセールスの方法論は、当社が15年かけて培ってきたノウハウで構築されたものだ。ある意味、必要に迫られて構築してきたものとも言えるかもしれないが、フロントトークで相手先の現状を把握し、課題を察知して、察知した課題をどう解決できるかという価値訴求を繰り返すことで、多くの企業に興味を持ってもらえるようなモデルにアップグレードしてきた。
インサイドセールス導入のPAS規格について
私たちが作成したPASにも、さまざまな課題解決の経験を積み重ねて得たデータを体系的にまとめている。PASにおけるインサイドセールスの方法論は、昨日今日の仕事では気がつかないようなところまでも網羅しているのだ。
インサイドセールスの仕組みをご理解いただければ、当社の専門性が、営業モデルの中でも特別なものだということがおわかりいただけるだろう。当社はアウトソーサー(委託企業)であり、結果が出なければ顧客からすぐに切られてしまうという立場にある。したがって、そうならないために結果を出し、試行錯誤しながら今のインサイドセールスの形をなしてきた。
インサイドセールスを活用した営業により、顧客のフォローがしっかりできるようになるため、獲得した顧客のコストがリカバリーできてしまえば、あとは特に難しいことをやる必要はない。インサイドセールスを導入した営業モデルでは、さまざまな顧客をインサイドセールスと訪問営業とでしっかりフォローできる。そのフォローがあるからこそ、顧客も信頼を置いてくれるというわけだ。
グローバルに展開するIT企業においては、インサイドセールスを導入していない会社を探すほうが難しいが、インサイドセールスを導入する企業は確実に増えており、企業側にも、そのメリットの大きさを感じていただいている。
この章では、インサイドセールス導入のステップやメリットとともに、ブリッジインターナショナルが担う役割について紹介させていただいた。日本語版PASの詳細は、巻末に掲載しているので、是非ご一読いただきたい。
PASを日本の企業にも広く知ってもらうことで、インサイドセールス市場が拡大し、企業の成長に寄与できることを切に望む。
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