CMOとは?その役割とCEOやCFOとの違いや、日本でなかなか定着しない理由について

BtoBマーケティング TIPS
コラム
2018/08/31
CMOとは?その役割とCEOやCFOとの違いや、日本でなかなか定着しない理由について

CMO(Chief Marketing Officer/チーフマーケティングオフィサー)は、日本語では「最高マーケティング責任者」を意味します。日本企業ではまだ周知されていませんが、欧米の多数企業でCMOの役職が広く知られており、またその役職を設けています。

一方、日本ではまだあまり馴染みのない役職です。そこでこの記事では、CMOとは何か、どんな役割を果たすものなのかについて解説します。

CMOとは?

CMOとはどのような役職なのか

CMOは、CEOやCFOなどと同じ管理系職種を指します。経営に関わるとともに、主にマーケティングに係る現場を取りまとめ、マーケティング戦略を立案し、具体的に実行する役割を担います。

CMOは顧客購買行動の変化に伴い生まれた役職

現代は、インターネットの普及により顧客の購買行動や生活様式が大きく変化し、その行動や価値観も多様化してきています。このような状況下において、企業は製品の提供だけではなく、自社の対象となるユーザーに対し、最初の接点からアフターフォローに至るまでを「購買体験」 として提供することが増えてきました。

そのためには、企業のあらゆる部署がマーケティングに対して意識を持ち、全社一体となってマーケティング戦略を考えること、そして実行することが重要です。

そこで、部署の垣根を超えた「横断的なマーケティング」に対して責任を持つ「CMO」というポストが設置されるようになりました。そうすることで、部署単位でなく顧客目線での戦略立案を実現し、顧客により豊かな「購買体験」を提供できるようになるのです。

CMOに必要な資質とは

企業のブランド価値を高めるためには、製造や販売など、あらゆる部署の垣根を超えて、マーケティングに取り組む必要があります。特に、グローバル展開をしている企業では、多様な価値観を持つ海外の市場や顧客に対応する必要があります。

このことから、マーケティングを統括するCMOには「起業家精神」が求められます。具体的には、以下のような資質です。

  • 時間や人的・物的リソースを最大限に活用する力
  • パフォーマンスを最大化できる「チーム力の高い組織」を作る力
  • 顧客と良好な関係を築く力

これらの能力を発揮し、マーケティング部門のパフォーマンスを向上させ、顧客の声を社内の営業部門や商品開発部門などに届けます。そうすることで、社員の意識共有を図り、企業の持つ力を最大化することができるのです。これらは、「起業家の持つ資質」と同じというわけです。

CEO/COO/CFOと、CMOとの違い

日本の企業もグローバル化に伴い、役職名を英語表記するようになりました。CMOはまだ馴染みがあまりないと思いますが、CEOやCFOなどはよく目にするでしょう。ここではCMOとその他の役職の違いをご紹介します。

CEO(最高経営責任者)

CEOはChief Executive Officerの略で、社長や会長に該当するのがこの役職です。ただし会社法上では何の権限もありません。経営に関わる業務の全てを統括するという意味では、実質的にトップの座に位置することになります。

COO(最高執行責任者)

COOはChief Operating Officerの略です。CEOの側近的役割を担うので、ナンバーツーと認識されることが多いポジションです。CEOの意思決定を代行して実行する立場となります。

CFO(最高財務責任者)

CFOはChief Financial Officerの略です。その名の通り、財務経理の全ての実務を管轄する役割です。会社の金庫番であり、企業価値の向上と世界基準に沿った財務管理を任されます。

また、CEOへの足がかりとしてCFOを目指す人も多く、営業や管理、システムなどあらゆる業務に精通する人材がこの役に就くのが一般的です。日本の場合、財務出身者がこの役職に就いているケースも多く見受けられます。

CMO(最高マーケティング責任者)

前述のとおり、CMOは社内のマーケティング業務を管轄し、市場や顧客の調査、具体的戦略の立案と実行を指揮します。ナンバーツーであるCOOの指揮のもと、資金面を管轄するCFOとともに、マーケティングを統括するという構図になります。

日本ではまだ定着していないCMO

2014年の経済産業省の調査によると、日本の時価総額上位300社において、CMOを任命している企業の割合はわずか0.3%。2020年現在では当時よりも増加傾向にあるとされていますが、まだまだ定着しているとは言えない状況です。なぜ日本企業では、CMOという役割が浸透しないのでしょうか。

CMOが日本で定着しない理由とは

マーケティングをバックヤードに位置付ける企業風土が国内では根強い

かつて、日本は「モノづくり大国ニッポン」と呼ばれ、良いモノを大量に作って周知することで、作れば作るだけ売れていた古き良き時代がありました。

一方、今日の日本では、良いモノを作るだけで売れるという保証はどこにもありません。多様化する消費者のニーズを的確に捉え、ベネフィットを提供する製品やサービスの開発、そして、周到なブランディングやマーケティング施策が必須となっています。

しかし、未だに日本の企業では技術ありきの風習が残り、マーケティングはあくまでもそれを売るためのバックヤードという位置づけが根強いのが現状です。

経営者感覚を持ったマーケターが少ない

日本のマーケターは、未だ実務や運用側面の技術スキルが先行しており、事業を統括できる経営者感覚を持った人材が少ないのも事実です。

CMOは、本来マーケティングによって経営課題を解決する役割を担うものですが、そのような意識の切り替えが、マーケターやCMOのポジションを担う人材の中に定着していません。

日本企業でも、CMOの重要性は今後さらに高まる

この先、少子高齢化が進む日本国内の市場規模は全体として縮小傾向にあり、企業は内需に頼るだけではなく、外に目を向けてグローバル化を進めていく必要に迫られています。価値観の異なる海外市場での事業展開においては、必然的に高い視点を持ったマーケティング戦略が欠かせません。企業のブランド価値を高め、開発から販売まで部署を横断したマーケティング・マインドが重要な意味を持ちます。今後、継続したマーケティング活動を行うための “旗振り役” として、CMOの存在は必須となっていくでしょう。

デスク、ノート、キーワード

マーケティング手法の変化も、CMOの必要性を後押しする

近年、各企業が「コンテンツマーケティング」や「インバウンドマーケティング」を積極的に採用しはじめたこともあり、広告代理店主導のマーケティングヒエラルキーが崩れ、企業自身がマーケティング活動におけるイニシアティブを持つケースが増えてきています。

広告だけでは、新規顧客の開拓や、顧客との関係性の維持・発展が難しくなっている、そんな現状に対し、意識改革が進んでいるというわけです。この流れは、マーケティングがより経営戦略に近いポジションとなる流れだといえます。これからのマーケターは、経営者の感覚を持ち、本質的な意味でCMOとしての役割を果たすことが求められるのです。

おわりに

多様化する生活者のニーズに応える経営戦略が求められる昨今。日本ではまだあまり定着していないCMOという役職ですが、「マーケティングが経営戦略として必須である」という意識も今後少しずつ根付いてくるのではないかと思われます。

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