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AIが営業戦略をプランニングする時代
「デジタルインサイドセールスに進化させる4つのテクノロジー」3つ目はAIです。AIが顧客動向を察知、営業戦略をプランニングする時代がやってきました。
AIを使うということは、何かしらのデータをコンピュータに学習させ、学習内容をもとに人間を支援するということです。これを営業活動に当てはめた場合、私たちの手元にある有効なデータとは何かを考えた時、いちばん大きな財産は、インサイドセールスが顧客とやり取りしている会話データではないでしょうか。
マーケティングを効率化する「MA(マーケティングオートメーション)」|デジタルインサイドセールスのテクノロジー①
顧客コミュニケーションを効率化させるWeb RTC|デジタルインサイドセールスのテクノロジー②
プロセス分業を管理するFunnel Navigator|デジタルインサイドセールスのテクノロジー④
インサイドセールスの通話音声ログをデータ化し分析
当社のインサイドセールスは、一日に20件から40件ぐらいの電話をかけています。一人のインサイドセールスが月に20日間働けば、400件から800件ぐらいの通話ログが残ります。社内に300人ほどのインサイドセールスがいることを考えると、膨大な量の通話録音が残っていくことになります。大量の通話録音をデータ化しようとした際、音声のままでは分析がしにくいため、音声認識システムにかけてテキストデータ化することになりました。
世の中には、いろいろな音声認識のツールがありますが、私たちは複数のメーカーのツールを使っています。最近は、iOS だったら「Hey Siri」、Android だったら「OK Google」と言ってスマートフォンに話しかけると、かなりの認識率で正確に聞き取ってくれるようになりました。ただ、長い会話になると、同じようなレベルで聞き取ってもらうのは難しいのが現状です。私たちの会話は、10分、15分は当たり前なので、一つの会話をまとめて処理するには、高精度な音声認識ツールが必要です。そこで長い会話を対象とした音声認識ツールを使い、通話録音をテキスト化しています。
今実現しているテキスト化のスピードは、データ元の通話時間と同じぐらいで、10分間の会話であれば、10分か15分ほどでテキスト化されます。最近ではクラウドサービスの音声認識ツールもあり、今後はもっと手軽なソリューションになっていくと思われます。
顧客ごとの専門用語は辞書登録を活用
顧客ごとに固有の専門用語については、辞書の登録が必要です。辞書には単語辞書、文章の辞書、音響の辞書の3つがあり、音響の辞書の機能には、実際の通話音声と、通話音声を書き起こしたファイルをセットで読み込ませます。辞書には10時間分ほどの音声を読み込ませて学習させるのですが、辞書を作るにはかなりの時間がかかる上、メンテナンスも必要なため、作業としてはあまりやりたくはない部分です。
AIが効果的なインサイドセールスをプランニング
会話をテキスト化したものは、自然言語解析にかけた後、クラスタリング、トピック分析、回帰分析などのさまざまな統計手法を加え、AIマシンラーニングにデータを移し、会話の内容をマシンに学習させます。マシンに学習させるのは顧客との会話だけでなく、会話している相手の属性、どのような業種の企業で、どれぐらいの従業員がおり、売上規模はどうか、というデータも一緒に蓄積します。また、その企業に対して、今どういう製品、どういうソリューションを売り込んでいて、どういうリードがあるのか、どういう案件があるのかというデータも含んでいます。
顧客属性、企業のデータなどは、通常CRM(Customer Relationship Management =顧客管理ツール)に溜まっているため、CRMの情報と音声テキストデータを一緒にAIマシンラーニングにかけることによって効率的なインサイドセールス活動を支援することができるようになるのです。
インサイドセールスの通話音声をAIにどんどん搭載していくと、次にどういうことを顧客に言えばいいのかを、AI側が教えてくれるようになります。このように、インサイドセールスは、AIを使うことで偏差値を上げていけるのです。
とはいえ、世の中はどこもニッパチ(2:8)です。二割のインサイドセールスが成績優秀でも、8割のインサイドセールスは平均的。その8割の中も、またニッパチなのです。
従ってこの8割をいかに2割に近付けるかが、全体の成績を上げることにつながります。そのためには、マネジャーであるスーパーバイザー(SV)を支える機能と、インサイドセールス自身を支える機能を準備する必要があります。
営業力の底上げを図る「セールスイネーブルメント」についてはこちら
SVは、インサイドセールスが成果を出せるよう、例えば、会話をモニタリングして改善させたり、次にどこの会社、どの製品を狙っていくのかターゲティングを行ったりと、日々様々な活動をしています。
また、インサイドセールスに対して、いつ、どこに、どういう電話をしなさいという指示を出していきます。AIでSVを支えるとは、これら活動や指示などのプランニングを、AIを使ってサポートできないかという発想なのです。
AIはリアルタイムでの会話ナビゲーションも可能にする
一方、インサイドセールス自身には、何といっても会話のナビゲーションが効果的です。案件の状態・会話の状況に応じて、どのような会話を展開すれば結果が出るかを、リアルタイムに指示してくれることが、一番の支えになると考えています。
おわりに
さて、AIの活用がいかにインサイドセールスに有効かを説明してきましたが、当社では具体的なソリューションとしてSAIN(Sales AI Navigator)という製品を提供しています。SAINの機能・当社の考えるAIでどのようにインサイドセールスを支援できるかは、こちらのコラムで解説しているので併せてご覧ください。
インサイドセールスのモニタリングツールSAINの詳しい内容についてはこちら
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