SFAとCRMを比較!業務支援内容の違いと導入における注意点について徹底解説

コラム
営業改革
公開日: 更新日:
SFAとCRMを比較!業務支援内容の違いと導入における注意点について徹底解説
SFAとCRMを比較!業務支援内容の違いと導入における注意点について徹底解説

SFAもCRMも、マーケティングや営業に携わる人なら一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。1990年代より広まったシステムですが、何かしらの形で導入をしている企業は数多く存在します。

ところで、これらをなかなかうまく活用できていない企業も少なからず存在します。その背景にあるのが、SFAおよびCRMの役割や、導入時に検討すべき点を把握し切れていないことです。そこでSFAやCRMを比較する形で、両者の違いや注意点を説明します。

SFAとは?

SFAとは、Sales Force Automationのイニシャルをとった略語になります。日本語では「営業支援システム」と訳されることが多く、実際、何かしらのシステム導入を前提とすることがほとんどです。営業活動を可視化して、担当者のみならず上司や同僚にも進捗や詳細が分かるようにしたり、問い合わせ履歴が見えたりするように、営業や営業組織の活動を支援する機能があります。

営業活動の属人化による弊害

SFA導入前の営業活動は、どうしても属人化しがちになります。営業活動の中心は、顧客の自宅やオフィスを直接訪問することで行われます。そのために営業担当者に同行しない限り、どんな営業活動をしているのかが分かりません。また顧客の反応はどうなのか、進捗はどれくらいなのかも把握できないものです。その結果、優秀な営業担当者が売上を支える一方で、そのスキルを共有できずに組織としての営業活動はなかなか向上しません。

もともとSFAは営業スタッフが入れ替わる際に、部署における営業スキルを蓄積するためのマニュアル化を目的に開発されました。属人化されがちな営業活動を共有しようといたわけです。そしてそのマニュアル化の過程で、他の人には把握できない個々の営業スタッフの進捗状況を管理したり、成果を生むための行動を数値化する機能が備わるようになりました。

SFAで個人の営業活動を共有し管理できる

そのためにSFAを導入すると、営業活動に関するさまざまな情報を共有できるようになります。その結果、優秀な営業担当者のノウハウを他のスタッフが共有できるというわけです。さらに顧客との商談がうまくいっていない場合には、上司や組織全体でサポートできます。つまりSFAによって、営業活動の属人性を下げることができるわけです。

SFAに備わる機能としては、顧客管理や営業スタッフの行動管理、データ分析などがあります。顧客管理をすることで担当スタッフが不在でも、他のスタッフが適切に対応できるようになります。その結果、商機を逃すことなく商談をスムーズに行うことができます。営業スタッフの行動管理を行うことで、成績の良いスタッフの行動パターンを分析し共有することができ、部署全体のスキルアップにつながります。データ分析は商談ごとの確度を把握し、売上予測を立てることに役立ちます。

SFAとCRMの違い

主に営業担当者の業務効率化を目的とするSFAに対し、CRMは顧客との関係構築・維持を目的としています。社内を見ているSFA、社外(顧客)を見ているCRMといった形で、ターゲットが両者の違いとなっています。

顧客管理が目的のCRM

一般的に経営活動ではヒト・モノ・カネという経営資源が重要と言われます。けれどもその資源を有効に活用するためには、商品やサービスを購入する顧客が不可欠です。少子高齢化により縮小する市場において、いかに顧客を確保するかが重要となります。そのためには顧客情報を一元で管理し、見込顧客からリピーターへと成長する各過程で分類管理できるCRMが役立つというわけです。

こうした目的の違いが、SFAおよびCRMのシステムの機能に反映されています。顧客情報の管理ができるという点は共通していますが、一般的に下記のような違いがみられます。SFAの主要機能は営業の進捗管理やTo Do管理、スケジュール管理などです。それに対し、CRMの主要機能としてはランディングページ・フォームの作成やメールの作成・配信などがあり、顧客との関係性の構築と向上につながります。

 

目的が違うため、主要な利用部署も異なります。SFAを利用するのはインサイドセールスやフィールドセールスを抱える営業部門となり、CRMを利用するのは通常マーケティング部門やサポート部門になります。ただし、インサイドセールスの機能をどちらの部門が保有するかについては、各社の考え方や組織・環境などによって変わってきます。
したがって、導入する際の判断基準も明確に異なります。例えば、顧客の集客や醸成などの品質を向上させたいケースではCRMの導入がその目的に合っていると思いますし、営業活動の生産性を改善したいケースではSFA導入によって問題が解決すると考えるといった具合です。

CRMで顧客満足度を高めることができる

顧客との友好な関係性を築くためには、満足度を高める必要があります。そのためには、顧客に関する詳細な情報を蓄積することが不可欠です。購買目的やニーズ、取引量や購入頻度などあらゆるデータを集め、優良顧客のデータを見込顧客へと適用していきます。さらにそのデータは社内全てのスタッフで共有することで、同じ品質のサービス提供ができるようになります。

SFAとCRMは導入する部署が異なる

このようにSFAとCRMは目的が違うため、どの部署で利用するのかも違ってきます。SFAを利用するのはインサイドセールスやフィールドセールスを抱える営業部門となり、CRMを利用するのは通常マーケティング部門やサポート部門になります。ただし、インサイドセールスの機能をどちらの部門が保有するのかについては、各社の考え方や組織・環境などによって変わるでしょう。

したがって、導入する際の判断基準も明確に異なります。例えば、顧客の集客や醸成などの品質を向上させたい場合にはCRMの導入が効果的ですし、営業活動の生産性を改善したいのであればSFAを導入することで問題解決につながります。

SFAとCRMの導入における注意点(目的は何か?)

しかし現実としては、SFAとCRMが混同されることは少なくありません。中には一つのシステムツールの中にSFAとCRMの両方の機能が含まれているケースもあります。顧客との関係構築・維持に加えて営業活動も改善できるのならば、それはそれで素晴らしいことです。

ただし、SFAやCRMのシステムを最大限活用するためには、目的を明確にすることが必要です。何を効率化したいのか、どの数字を向上させたいのかを明確化しない状態でツールのみを導入しても、システムに備わっている優れた機能を十分に活用できません。当然、求めるような結果や成果が出ないでしょう。最悪のケースでは、導入すべきシステムを選択できていないのに、それに気づかず不本意な状況が恒常的に続いてしまう可能性すらあります。

どちらを導入するにしても、営業プロセスにかかわるすべての部門スタッフの意識を変革することが必要です。一部分だけにシステムを導入するとしても、それを効率的に活用するためには、あらゆる組織間の連携と共通の目標設定および目的の共有が必要となります。

営業部門の意識改革!組織力の強化を図る「セールスイネーブルメント」についてはこちら

おわりに

SFAとCRMには、目的やターゲットに違いがあります。一方で、自社に蓄積された情報を可視化し、組織的に共有することでマーケティングや営業を効率化しようという意味では共通点も多くあります。ツールの導入を考えるときには、まず自社が何をしたいのか、どのような課題を抱えているのかを洗い出すことから始めましょう。そうすることで、SFAとCRMといったツールをどのように活用すべきかについてはおのずから明確になるはずです。

ツール導入前に知りたい!営業の効率化と活性化を図る”DX”導入成功のカギ

営業DXに関するお問い合わせ

 

アバター画像

2002年の設立以来、インサイドセールスによる法人営業改革の支援を行ってきた「ブリッジインターナショナル」。日本におけるインサイドセールスのリーディングカンパニーとして、IT、通信・情報、流通、製造などの幅広い業種の企業に対し、「仕組み」「リソース」「道具」などさまざまなインサイドセールスのサービスをご提供し、多くの実績を積み上げてきました。当コラムは、多数のクライアント企業でインサイドセールス組織の立ち上げ・導入支援・MA活用支援などに携わってきたコンサルタントが、これまで蓄積したノウハウを元に執筆したものです。

一覧へ戻る

この記事と合わせてよく読まれています

2018/06/04 営業の生産性をアップする営業活動のためのPDCAサイクル 2020/09/04 日本企業の事例で見る|インサイドセールスがBtoB事業の課題解決に役立つ理由 2021/04/20 徹底解説|営業のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは

テーマから記事を探す

コラム営業改革
お問い合わせ