「デジタルインサイドセールスに進化させるテクノロジー」4つ目が、ファネルナビゲーターです。ファネルナビゲーターとは、マーケティングから営業プロセスまでのすべてをデジタルでマネジメントできる、業務支援クラウドサービスのことです。
マーケティングを効率化する「MA(マーケティングオートメーション)」|デジタルインサイドセールスのテクノロジー①
顧客コミュニケーションを効率化させるWeb RTC|デジタルインサイドセールスのテクノロジー②
デジタルインサイドセールスの要「AI」|デジタルインサイドセールスのテクノロジー③
2014年の8月にリリースした「ファネルナビゲーター(Funnel Navigator)」は、インサイドセールス業務を支援する仕組みを作ろうと、当社が開発したものです。私たちは、法人営業を支援し、営業プロセスのアウトソーシングをするにあたって、プロセス分業を提案してきました。
目次
ファネルナビゲーターの役割
法人営業のプロセスは、案件化する前と後に分かれており、案件化の前の段階では、顧客の潜在ニーズのようなものを一生懸命育てながら、タイミングを見て案件化していきます。案件化されてからは、その案件を受注に向け進めていくことになります。
一般的な営業支援ツールとしてCRMやSFA(Sales Force Automation =営業支援システム)というシステムがありますが、これらに登録されるのは、営業プロセスの中でも案件化した後のものです。
私たちインサイドセールスは、顧客のニーズなどを案件として育てていくための活動、つまり、CRMやSFAを使う前の工程を担当するため、まずは顧客の基本情報をしっかり管理しなければなりません。そこで、ファネルナビゲーターを開発しました。
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また私たちは2002年の会社設立以来、インサイドセールス業務に専念してきましたが、インサイドセールス業務の泥臭い仕事や、さまざまな悪条件の中での仕事など、いろいろな経験を経てきているため、インサイドセールス業務における悩みややりにくさなどを解決するための仕組みとしても、ファネルナビゲーターというシステムの必要性を感じたのです。
インサイドセールスの導入と運用、双方を支援する
インサイドセールスを営業のプロセスに組み込めば、すぐに受注が増えるというわけではありません。インサイドセールスを活用しながら、日頃のPDCA(事業活動サイクル)をうまく回していく必要があると考えています。
したがって、ファネルナビゲーターは、まず営業プロセスにインサイドセールスを組み込む導入部分の支援と、実際に導入した後の、PDCAを回すための支援を、大きなスコープとしています。
ファネルナビゲーターの概要
ファネルナビゲーターは、プラットフォームとしてセールスフォース・ドットコム社のPaaS(Platform as a Service)をOEMで提供していただき、当社のパッケージとして発売しています。
また、蓄積したデータの収集・分析をするBIツール(ビジネス・インテリジェンス・ツール)や、一度に大勢が同じ情報を共有できるダッシュボードなどの機能もOEMで提供していただいています。使用しているダッシュボードには、データベースからデータを自動的に取り込める仕組みになっています。
ユーザーインターフェースは、最初から英語版と日本語版を用意しました。このような企業のご協力をいただき、インサイドセールスが有効に使える機能を搭載した、PDCAをサポートする製品を、当社では提供しております。
具体的な機能
インサイドセールスを実際に活動させるためには、まず日々のKPIの設定が重要であることは前述の通りです。これをもとにインサイドセールスが活動するのですが、一人ひとりのインサイドセールスの受注金額の達成率が今どうなっていて、このまま進んでいくとどこまでたどり着きそうか、というところをダッシュボードで確認します。確認した時に「まだ43%にしか満たない」となれば、何らかのてこ入れが必要です。
ファネルナビゲーターには、実際に案件が足りていない場合、次にどのようなテーマで話をすればいいか、どういうコミュニケーションをするとうまくいくか、ということを評価する機能を備えています。案件が出ていないインサイドセールスに対しては、顧客に当たりやすい話をしなさいという指示ができますし、指示を受けて、各インサイドセールスが顧客に提案できているかどうかを、可視化することもできます。
このように、インサイドセールスへの指示に有効なのが、ファネルナビゲーターのコール活動支援機能です。案件が創出できなかった時にコール活動支援機能を使うと、さまざまな角度から分析し、どこを直せばいちばん効果的かという情報提供をしてくれます。分析結果には、製品ごと、顧客ごと、地域ごとのパターンがあり、インサイドセールスが話した内容の、何が悪かったのかという原因を特定できるのです。そして、この分析結果を受けて、SVが次のアクションを取ることができます。
ファネルナビゲーターの情報提供はAIとはまったく違うもので、インサイドセールスがどういう話をしたのかという、実績を集計しただけのものです。AIの活用部分は、AI側に考えさせ、予測をさせるものですが、ファネルナビゲーターは、実際に営業が分類し、整理した結果を、わかりやすく表示しています。将来的には、ファネルナビゲーターのデータとAIを繫げることも考えています。
本章ではデジタル化によりさらに進化するインサイドセールスについて説明してきました。
インサイドセールスと、最新テクノロジーを組み込んだシステムとの連動イメージは、図表3-8「デジタルインサイドセールス構想」をご参照ください。
マーケティング部門が担当するWebからリードが入ると、MAでナーチャリングされ、スコアが上がったリードはインサイドセールスが担当。
場合によってはWebRTCを活用してデモや複雑な説明を実施し、それ以降はAIを活用して効果的な会話で案件を醸成する。それら一連の活動情報をファネルナビゲーターで一元管理することで課題を可視化し、活動全体の効率化を実現する。
これが、次に私たちが目指す、最強のインサイドセールスの形です。
おわりに
4回にわたって営業成果を高めるのに役立つテクノロジーをご紹介してきましたが、デジタルツールはあくまで手段であることを忘れてはいけません。大切なのは、「何を使うか」ではなく「どう使うか」。営業変革として「営業DX」の推進が求められるなか、自社の競争力を強化するためにどう活用していくかをしっかりと議論してからツールの導入を検討しましょう。
当社では、 DX導入に向けた全体の企画設計から、デジタルツールの導入・運用支援まで、サポートを行っています。
営業改革をするうえでお困りごとがあれば、ぜひ当社にお声がけください。
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