コラム

デジタルインサイドセールスに関する最新情報をお届けします。

2019/08/21  テーマ
インサイドセールス TIPS
コラム

デジタルインサイドセールス(第3章 インサイドセールスはデジタル化で最強となる 2.デジタルインサイドセールスに進化させる4つのテクノロジー②③-1)

2017年12月6日発刊 弊社代表の吉田が執筆した「デジタルインサイドセールスー最新テクノロジーによる法人営業改革の実践ー」

第3章 インサイドセールスはデジタル化で最強となる

2.デジタルインサイドセールスに進化させる四つのテクノロジー②

②営業活動を飛躍的に効率化するWebRTC

インサイドセールスは主に電話・メールといった手段で顧客とコミュニケーションを取ってきたが、近年WebRTC(Web Real-Time Communication) という技術により、ブラウザ越しに顧客とコミュニケーションを取るということが、さらに容易に実現できるようになった。それがデジタルインサイドセールスの二つ目の要素、WebRTCの活用である。
WebRTCとは、Webブラウザ上で音声や映像のデータをリアルタイムにやりとりするための技術である。
WebRTCのいちばんの特徴は事前に何かをインストールする必要がなく、ブラウザだけで画面共有などができることである。インストールが必要なものだと、顧客の「面倒だからいいよ」、「権限がないからインストールできない」といった一言で話が終わってしまうこともあるため、何もインストールせずに画面共有できることは大きなポイントだ。
では、デジタルインサイドセールスにおけるWebRTCの活用シーンを説明しよう。
インサイドセールスが顧客と会話をする際、簡単な内容であれば口頭による説明だけでも大きな支障はないが、話の内容が複雑なものなどは資料を使って説明をすることもある。その場合は事前に資料を送付したり、その会話中にメールに添付して送ったりしているが、そうではなく、インサイドセールスが自身のパソコン上で資料を開き、その開いた画面を相手先とリアルタイムで共有して説明することが簡単にできれば、双方わずらわしさがない。さらにデモンストレーションを行うとなると通常はその場に行くしかないが、リアルタイムの画面共有により、インサイドセールスでもインターネット越しにデモンストレーションができるようになる。

さらにもう一つ、インサイドセールスならではのメリットもある。WebRTCのツールの機能にもよるが、パソコンに内蔵されているカメラでインサイドセールスを映し、顧客にこちらの顔を見せる、ということが可能になる。インサイドセールスの「顔が見えない営業」という弱点を解消することができ、顧客のインサイドセールスに対する信用はより深まる。
これまでは、難しい話になれば訪問営業で対応せざるを得なかったが、WebRTCを活用し、インサイドセールスがより深い営業プロセスに入り込むことによって、営業活動の効率化がますます進む。
つまりWebRTCは、インサイドセールスの活動を訪問営業が行う活動により近いものへと変えることを可能にした。
なお、これはインサイドセールスだけではなく、訪問営業の現場でも同様に効果が期待される。遠隔地の顧客に訪問の二週間後に再訪して説明するよりも、訪問後すぐに画面共有で顔を見せながら説明したほうが効果的であろう。

③デジタルインサイドセールスの要、AI

3つ目のテクノロジーがAIだ。AIが顧客動向を察知、営業戦略をプランニングする時代がやってきた。
AIを使うということは、何かしらのデータをコンピュータに学習させ、学習内容をもとに人間を支援するということだ。これを営業活動に当てはめた場合、私たちの手元にある有効なデータは何だろうと考えた時、いちばん大きな財産は、インサイドセールスが顧客とやり取りしている会話データだと思うに至った。
当社のインサイドセールスは、一日に20件から40件ぐらいの電話をかけている。一人のインサイドセールスが月に20日間働けば、400件から800件ぐらいの通話ログが残る。社内に300人ほどのインサイドセールスがいることを考えると、ものすごい量の通話録音が残っていくことになる。
大量の通話録音をデータ化しようとした際、音声のままだと分析がしにくいということで、音声認識システムにかけてテキストデータ化することになった。
世の中には、いろいろな音声認識のツールがあるが、私たちは複数のメーカーのツールを使っている。最近は、iOS だったら「Hey Siri」、Android だったら「OK Google」と言ってスマートフォンに話しかけると、かなりの認識率で正確に聞き取ってくれるようになった。ただ、長い会話になると、同じようなレベルで聞き取ってもらうのは難しい。私たちの会話は、10分、15分は当たり前なので、一つの会話をまとめて処理するには、高精度な音声認識ツールが必要だ。そこで長い会話を対象とした音声認識ツールを使い、通話録音をテキスト化している。
今実現しているテキスト化のスピードは、もともとの通話時間と同じぐらいで、10分間の会話であれば、10分か15分ほどでテキスト化される。
最近ではクラウドサービスの音声認識ツールもあり、今後はもっと手軽なソリューションになっていくと思われる。
顧客ごとに固有の専門用語については、辞書の登録が必要になる。辞書には単語辞書、文章の辞書、音響の辞書の三つがある。音響の辞書の機能には、実際の通話音声と、通話音声を書き起こしたファイルをセットで読み込ませる。辞書には10時間分ほどの音声を読み込ませて学習させるのだが、辞書を作るにはかなりの時間がかかる上、メンテナンスも必要なので、作業としてはあまりやりたくはない部分だ。
会話をテキスト化したものは、自然言語解析にかけた後、クラスタリング、トピック分析、回帰分析などのさまざまな統計手法を加え、AIマシンラーニングにデータを移し、会話の内容をマシンに学習させる。
マシンに学習させるのは顧客との会話だけでなく、会話している相手の属性、どのような業種の企業で、どれぐらいの従業員がおり、売上規模はどうか、というデータも一緒に蓄積させる。また、その企業に対して、今どういう製品、どういうソリューションを売り込んでいて、どういうリードがあるのか、どういう案件があるのかというデータも含んでいる。
顧客属性、企業のデータなどは、通常CRM(Customer Relationship Management =顧客管理ツール)に溜まっているため、CRMの情報と音声テキストデータを一緒にAIマシンラーニングにかけることによって効率的なインサイドセールス活動を支援することができるようになる。
インサイドセールスの通話音声をAIにどんどん搭載していくと、次にどういうことを顧客に言えばいいのかを、AI側が教えてくれるようになる。このように、インサイドセールスは、AIを使うことで偏差値を上げていけるのだ。
とはいえ、世の中はどこもニッパチ(2:8)である。二割のインサイドセールスが成績優秀でも、八割のインサイドセールスは平均的だ。その八割の中も、またニッパチなのである。
従ってこの八割をいかに二割に近付けるかが、全体の成績を上げることにつながる。そのためには、マネジャーであるスーパーバイザー(SV)を支える機能と、インサイドセールス自身を支える機能を準備する必要がある。


SVは、インサイドセールスが成果を出せるよう、例えば、会話をモニタリングして改善させたり、次にどこの会社、どの製品を狙っていくのかターゲティングを行ったりと、日々様々な活動をしている。また、インサイドセールスに対して、いつ、どこに、どういう電話をしなさいという指示を出していく。AIでSVを支えるとは、これら活動や指示などのプランニングを、AIを使ってサポートできないかという発想である。
一方、インサイドセールス自身には、何といっても会話のナビゲーションだ。
案件の状態・会話の状況に応じて、どのような会話を展開すれば結果が出るかを、リアルタイムに指示してくれることが、いちばんの支えになると考えている。
当社では具体的なソリューションとしてSAIN(Sales AI Navigator)という製品の開発に着手しており、今後段階的にリリースしていく予定だ。次から、SAINの機能を説明しながら、当社の考えるAIでどのようにインサイドセールスを支援できるかを説明したい。

2017年12月6日発刊 弊社代表の吉田が執筆した「デジタルインサイドセールスー最新テクノロジーによる法人営業改革の実践ー」

Customer Service

お問合せ

pagetop